短篇

The End of the World News

「世紀終末のニュース」アントニー・バージェス〈『日本版Omni 1983年5、6月号』掲載〉 軌道上に飛び込んできた遊星のため、崩壊しようとしてる地球。科学者達は、エリートを乗せたロケットを造り、植民星を探す計画を立てるが…… うう〜ん、なんだこれ? 支…

Mr. Mouse

「ネズミさん」フランク・L・キャロウェイ〈『日本版Omni1983年4月号』掲載〉 ネズミにどけと銃を向ける少女。ネズミは言葉がわからず…… 破滅もの(?)の掌編。 悪くないんだけど、なんか惜しい。

Number 13

「13番目の男」スティーヴン・ロビネット〈『日本版Omni1983年4月号』掲載〉 植民星を探して1000年も航海を続ける宇宙船。地球型惑星が見つかると、目覚めさせられる男。しかし、そこは居住には向かない星だった。この後はただ船内で人生を終えるだけ。彼は1…

$ 1.98

「一ドル九十八セント」アーサー・ポージス〈『世界ショートショート傑作選1』所収〉 『八一三号車室にて』の解説で気になったので着手。 1インチ98しかない神様を助けた青年。お礼をすると言うのだが、その神様は上限1ドル98セント分の願いしか叶えられ…

The Infinite Plane

「無限平面」ポール・J・ネイン〈『日本版Omni1983年2月号』掲載〉 敵機の攻撃を受け、空に投げ出された機銃手。海に激突すると思いきや、いつまでも落ちない。気づくと、数学上の理論に過ぎないと思っていた、無限に広がる平面に向けて落下していた…… 数学…

プロトンの中の孤独

「プロトンの中の孤独」近藤史恵〈『Story Seller 2008 Spring』掲載〉 プロレーサーを望んでスペインに渡ったものの、プロチームから声がかかることもなく3年が過ぎた赤城。ある日、日本のチーム・オッジからスカウトされ、帰国する。同じ時期にスカウトさ…

Die Tomatensauce

「トマト・ソース」H・H・エーヴェルス〈『幻想文学64号』掲載〉 「わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる」さんで、凄く気になったので着手。 闘牛を真剣に観戦する男と出会う。しばらくして、闘鶏にも彼がいる。同郷の者から、彼は芳しく…

The Mist

「霧」スティーヴン・キング〈『闇の展覧会』『骸骨乗組員』所収〉 映画を見に行く前に読んでおこうと思い着手。 短篇だと思って読み始めたらかなり長く、中篇なのね。 嵐の翌日、異様な濃霧が街を飲み込む。スーパーマーケットにいた人々は、パニックに陥り…

BLACK WIDOWERS

アシモフの作品で一番好きなのが『黒後家蜘蛛の会』シリーズ(SF者?) 探偵でも、殺人事件などでもなく、純粋な謎解きとヘンリーが魅力の短篇シリーズ。 文庫未収録分が6話あり、それが揃ったので、やっと読めることに。 「黒後家蜘蛛とバットマン」 North…

Immortal Night

「癌を治した大富豪」グレゴリイ・ベンフォード(『日本版オムニ42号 』掲載) 自らも癌に侵され、画期的な治療法を開発させた大富豪。それは癌を完治させるばかりでなく、若返るような効果さえあった。世間は彼の生還を歓迎するが、ある新聞記者は銃を忍ばせ…

The Last Command

「最後の指令」キース・ローマー〈『ベストSF1』、『ロボット貯金箱』所収〉 [rakuten:book:12623376:title]に掲載された「ダイノクロム」と同じシリーズということで読んでみた。 空港建設のための作業をしていたところ、その振動で、数十年前に地中深く…

〈竜のグリオール〉シリーズ

前から読めと言われていた、ルーシャス・シェパードのグリオールにやっと着手。 「竜のグリオールに絵を描いた男」The Man Who Painted Dragon Griaule〈『ジャガー・ハンター』、『80年代SF傑作選(上)』収録〉 山のように巨大な竜グリオール。死んだよ…

Our Lady of the Sauropods

「われら竜脚類の聖母」ロバート・シルヴァーバーグ〈『日本版オムニNo.11』掲載〉 復元された恐竜たちが棲んでいる惑星ダイノ。観察にやってきた女性研究者は、意見対立している上司の陰謀で宇宙船が壊されてしまう。次の船が来るまでは1ヶ月。彼女は木の…

The Future Lost

「未来喪失」ロバート・シェクリイ(「日本版オムニ7号」収録) ひどく興奮した様子で病院に運ばれてきた男。彼が言うには、時空異常に巻き込まれ、400年未来に行っていたらしい。そこは戦争はなくなっており、その代わり、町中で気軽にセックスする世界になっ…

Yes, But Why?

「さはさりながら」アイザック・アシモフ〈『ミステリマガジン415号』掲載〉 今回のゲストは、なんとヘンリー。彼が今交際している女性に、不可解な手紙が届いているらしい。それは、彼女の幼い頃や現在の些細な悪さについて書かれており、差出人について全…

ノエル・シャトレの作品を3本読む。 ・「逆さまの生活」 La vie a l'envers〈『ミステリマガジン380号』掲載〉 慈善病院に入院している女性。 隣のベッドにやってきた新しい患者は、肛門と口の働きが逆らしく…… ・「豆科植物の国のイレーヌ」Irene au pays …

「殺人者」ジョルジュ・ランジュラン(『ミステリマガジン366号』掲載)読了 「蝿」で有名なランジュランの短篇 家政婦が殺されているのが見つかる。 フェンシングの刃が、凄い力で体に打ち込まれていた。 その家の幼い弟が何かを知っているらしいのだが、そ…

ニューマン・フェア

『ドラッケンフェルズ』復刊記念で、個人的キム・ニューマン・フェア ・「ドリーマーズ」Dreamers〈S‐Fマガジン471号掲載〉 夢を記録・編集、ソフト化して、まるで自分が体験しているかのようなエンターテイメントとしている未来。 ヨーヴィルは売れっ子の…

The Hustler

『ハスラー』ウォルター・テヴィス〈『ミステリマガジン280号』掲載〉読了 ついでなんで、短篇版も読んでみた。 刑務所から出てきたサムは、ビリヤードで金を稼ぐためにシカゴにやってきた。名前と髪の色を変え、ベニントンの店に向かう。そこで最強のハスラ…

今日の短篇×2

ミステリマガジン297号より 「ほとんど完全殺人」Almost Perfect……R・A・ラファティ 小さな町の葬儀屋。 そこに、知り合いの富豪の遺体が運ばれてくる。 準備をしていると、突然生き返る。 高い家賃も下げてくれず、法律上は死んでいるのだから、と完全殺…

ジャック・リッチー2篇

「バード・ウォッチャー」 In the Public Eye (『[rakuten:book:10586561:title]』所収) 鳥の巣を観察していたバード・ウォッチャー。 そこに、死体を運んできた男が現れる。 彼は、将来大統領にさえ、と目されている州副知事。 自分を強請っていた男を殺し…

Dear Pen Pal

『親しき友へ』A・E・ヴァン・ヴォクト(『S‐Fマガジン19号』掲載) 高温の惑星で、囚人となっている異星人の科学者。 ある地球人と文通をすることになり、交友を深めていくが…… 異星人の返事のみで構成されている短篇。 もっと手紙の内容に異星人らしさが…

Cousin Len's Wonderful Adjective Celler

「従兄レンの驚異の形容詞壺」ジャック・フィニイ(ミステリマガジン262号掲載)読了 従兄のレンは雑誌でコラムを書いているのだが、あまりその仕事が好きではない。 ある日、骨董屋で買ってきた小さな壺は、文章に書いた形容詞を吸い込むという、形容詞壺だっ…

Goddess in Granite

食い足りなかったので、ついでにS-Fマガジンから短篇を拾い読み。 「花崗岩の女神」ロバート・F・ヤング(S-Fマガジン124号掲載)読了 とある星にそびえる、巨大な女体の形をした山脈。 彼女に魅入られた男は、その目に湛える美しい湖を目指して登っていく…… …

In the Hospital

「病院にて」シオドア・スタージョン(ミステリマガジン263号掲載)読了 病院にいるらしい男の独白。 その意識は漂い、病院の外まで…… あらすじを書く余裕もないほどの掌編。 イマイチ。

Eggs

「五つの卵」トーマス・M・ディッシュ(ミステリマガジン260号掲載)読了 ある鳥類学者。 彼は2ヶ月前から美女と同棲し、ついに結婚することになった。 しかし、そのパーティの日、彼女はいなくなってしまった。 置手紙によると、彼女が残した卵を温めてほし…

The Last of the Cotters

「コッター家の最後の人」E・D・ボイラン(ミステリマガジン255号掲載)読了 老姉妹の姉が亡くなった。 ある雑誌記者が、妹に話を聞きにやってくる。 彼と、姉妹をつなぐ数奇な運命とは? これは、これは中々あたり。 変な話、と言うよりは奇妙な話。 もう一…

Guessing Game

「ものあて遊び」ローズ・ミリオン・ヒーリー(ミステリマガジン250号掲載)読了 ベテラン家政婦。 そこの子供がどうも好きになれない。 彼が、手のひらに乗るくらいの小箱を持って、中身を当てられなかったら、 彼女の持っているものが欲しいという。 はたし…

Long-Distance Call

「長距離電話」ジャック・フィニイ(ミステリマガジン224号掲載)読了 離れて暮らしている夫婦(理由は不明)。電話をすると、妻は、寂しさを紛らせるために知り合いとデートしてきなさい、とすすめる。言いなりになるのもつまらないので、彼女が知らない女…

The Wimper of Wipped Dogs

「鞭打たれた犬たちのうめき」ハーラン・エリスン(ミステリマガジン221号掲載)読了 アパートの中庭で殺された女性。多数の住人が目撃していたにもかかわらず、誰も声さえあげなかった。 ベスもその内の一人で、自分の行動が理解できない。 同じように目撃…