The 6th Pan Book of Horror Stories
- 作者: ハーバート・ヴァンサール,Herbert Van Thal,金井美子
- 出版社/メーカー: 論創社
- 発売日: 2008/05/01
- メディア: 単行本
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収録作品
・「終わらない悪夢」……ロマン・ガリ
・「皮コレクター」……M・S・ウォデル
・「レンズの中の迷宮」……ベイジル・コパー
・「誕生パーティー」……ジョン・バーク
・「許されざる者」……セプチマス・デール
・「人形使い」……アドービ・ジェイムズ
・「蠅のいない日」……ジョン・レノン
・「心臓移植」……ロン・ホームズ
・「美しい色」……ウイリアム・サンソム
・「緑の想い」……ジョン・コリア
・「冷たい手を重ねて」……ジョン・D・キーフォーバー
・「私の小さなぼうや」……エイブラハム・リドリー
・「うなる鞭」……H・A・マンフッド
・「入院患者」……リチャード・デイヴィス
・「悪魔の舌への帰還」……ウォルター・ウィンウォード
・「パッツの死」……セプチマス・デール
・「暗闇に続く道」……アドービ・ジェイムズ
・「死の人形」……ヴィヴィアン・メイク
・「私を愛して」……M・S・ウォデル
・「基地」……リチャード・スタップリイ
原著の発売から40年以上、さすがにどれも古い。古い作品がつまらないなんて言うつもりは毛頭ないけど、ここに掲載されている作品は、古びているとしか言いようがない。当時、センセーショナル(だったかもしれない)なホラーガジェットの原液は、21世紀に口にするにはちょっと物足りない。
それでも、お気に入りを選ぶとしたら、
・「終わらない悪夢」
ナチの強制収容所を生きのこった仕立て屋。
彼は夢だった南米に渡り、そこで商売を始める。
ある日、死んだと思っていたかつての商売仲間に出会う。
腕は衰えていないが、今も収容所時代のトラウマに悩まされている。
再び、彼と仕事を始めるが、夜になると彼はどこかへと出かけて……
普遍的な恐怖と狂気が描かれた作品。これが唯一の収穫。
最初がこれだったから、期待しちゃったんだよなぁ。
・「蠅のいない日」
あらすじをまとめられない、変な短篇。
この中では、一番現代的な異色・奇想短篇。
作者は、あのジョン・レノン。同姓同名かと思ってた。
・「入院患者」
私設動物園を持つほどのコレクター。
彼はゴリラを取り寄せるが、今まで興味がなかった妻がそのゴリラに魅入られ……
まぁ、オチは割れるんだけど、ラストのグロテスクさは好み。
・「パッツの死」
収容所で無数の人体実験を繰り返した外科医。
彼の死刑もついに決まるが、常に彼は周りを挑発するような言葉を繰り返し……
狂った医師の最期はどうなるのか? ラストへ向けての高まり方がスリリング。