DIAL AN ALIBI and Other Stories

ダイアルAを回せ (KAWADE MYSTERY)

ダイアルAを回せ (KAWADE MYSTERY)

ダイアルAを回せ』ジャック・リッチー〈河出書房新社 KAWADE MYSTERY〉読了
日本オリジナル短篇集第3弾!

 収録作品
「正義の味方」Deadline Murder
・「政治の道は殺人へ」Politic Is Simply Murder
・「いまから十分間」Ten Minutes from Now
・「動かぬ証拠」Shatter Proof
・「フェアプレイ」Fair Play
・「殺人はいかが?」Anyone for Murder?
・「三階のクローゼット」The Third-Floor Closet
・「カーデュラと盗癖者」Cardula and Kleptomania
・「カーデュラ野球場へ行く」The Return of Cardura
・「カーデュラと昨日消えた男」Cadula and the Briefcase
・「未決陪審」Hung July
・「二十三個の茶色の紙袋」The 23 Brown Paper Bags
・「殺し屋を探せ」Murder Off Limits
・「ダイアルAを回せ」Dial an Alibi
・「グリッグスビー文書」The Grggsby Papers

個人的お気に入りは、
・「政治の道は殺人へ」
 夫を立派な政治家にしようとしている妻から依頼を受けた殺し屋。
 夫を強請っている男を殺して欲しいというのだ。
 一方、その夫は束縛されるのが嫌で、妻殺しを同じ殺し屋に依頼していた……
・「いまから十分間」
 爆弾らしき箱を持って市長を訪れた男。
 処理班が呼ばれるが中身はただの時計。
 しかし、またもや箱を持ってやってくる。
 彼の目的は?
・「動かぬ証拠」
 資産家の書斎に殺し屋が現れる。
 年の離れた若い妻から依頼されたらしい。
 彼は金庫の中に金があると持ちかけるが……
・「三階のクローゼット」
 ある邸宅で家政婦が殺されているのが見つかる。
 主人は常に海外旅行をしているため、彼女が管理人だったらしい。
 しかし、鍵のかかった三階のクローゼットを開けると、そこに意識を失った主人が!
・「ダイアルAを回せ」
 拳銃自殺した資産家。
 疑ったターンバックルは、関係者を呼んで、質問するが……


ぶっちゃけ、リッチーの短篇集は、もうよくない?
クライム・マシン (晶文社ミステリ)を読んだときほどの感動はもうない。『クライム・マシン』が一番面白かったのか、味に慣れちゃったのか……
いい意味でも悪い意味でも、あくまで小咄的なんだよね。面白いんだけど、印象に残りにくいんだよなぁ。


ちなみに、ここからKAWADE MYSTERYの第2期開始。
ラインナップ(全て仮題)は、
・『ナツメグの味』ジョン・コリア
・『不思議なミッキー・フィン』エリオット・ポール
・『道化の町』ジェイムズ・パウエル
・『ポジオリ教授の冒険』T・S・ストリブリング
・『ランポール弁護に立つ』ジョン・モーティマー
・『ポドロ島』L・P・ハートリー
短篇集が多そうなんで、だいたい新刊買いするかな。
非ミステリ者としては『ナツメグの味』と『ポドロ島』が楽しみ。