奇妙な紳士同盟または超常紳士同盟
The League of Extraordinary Gentlemen
- 作者: Alan Moore,Kevin O'Neill
- 出版社/メーカー: Titan Books Ltd
- 発売日: 2002/09/01
- メディア: ペーパーバック
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『League of Extraordinary Gentlemen』の原作を読了。
……人様の翻訳を借りて読んでるから、『読了』なんて偉そうに言えないけどね。
19世紀末、イギリス。諜報部員キャンピオン・ボンドは、上司Mの密命を受けて、特殊任務のためのメンバーを集める。
ミナ・マリー、アラン・クォーターメン、ネモ船長、ジキル博士、グリフィン。
彼らは、イギリス制服を目論む中国人フー・マンチューの野望を阻止するため、奪われた反重力物質カーボライトを取り返すべく、チャイナタウンに向かうのだが、更なる陰謀が……
というようなあらすじ。
簡単に主人公の解説をすると、
紅一点のミナはジョナサン・ハーカーとは離婚してます。元ネタ分かりますね。
クォーターメンはハガードの冒険小説の主人公。ウェイン町山のエッセイによると、『インディ・ジョーンズ』の原型だから、ショーン・コネリーが演じているそう。
ネモ船長は『海底二万マイル』の主要キャラ。日本でも有名ですね(笑)
ジキル博士は『ジキルとハイド』の主人公。
グリフィンはウェルズの『透明人間』の主人公。権利問題で、映画では名前が違うそう。
こんな感じで、メインキャラもちょい役も、名前のあるキャラクターは全て当時を舞台にした小説などから借用。たぶん、背景とかモブにもそういうお遊びが施されていると思われます。博物館にヤフーとかリリパットの標本があったし。
これを聞いて、おっ、と思った方もいるかも。個人的超名作『ドラキュラ紀元』の漫画版と考えるとイメージしやすいかな。
『ドラキュラ紀元』+『ラピュタ』といった感じです。
ネモ船長がかなりイカス。
連写銛撃ち銃での虐殺シーンは失禁もの(笑)
ノーチラス号もカッコイイです。
ネモ船長が渋いってのは万国共通?
海外には、こういう虚実ない交ぜの、もう一つの歴史ものってのがけっこうありますね。
日本だと、『帝都物語』が一番近いのかな。
向こうの作家にとっては、19世紀末のロンドンってのはかなり魅力的なのかな?
『FROM HELL』の切り裂きジャックの台詞じゃないけど、現在のカルチャーに直結してる、「昔」なんでしょうね。
それにしても、マイクロフトは出さずにはいられないキャラの模様。
TP(単行本)で買ってるから、リーフは分からないんですけど、
おまけで、クォーターメインの冒険小説や、ドリアン・グレイぬり絵が載ってます。
芸が細かい。
話は一応完結してるんですけど、ラストで何かが降ってくるシーンで終わり。19世紀のイギリスを騒がした事件とは? Vol.2もTPになったら買わねば。
この手のジャンルが好きな人はしびれます。
オススメ。