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世界受容 (ハヤカワ文庫NV)

世界受容 (ハヤカワ文庫NV)

『世界受容』ジェフ・ヴァンダミア〈ハヤカワNV1327〉

突如、拡大・浸食を再開した謎の生態領域〈エリア?〉。領域を調査する機構〈サザーン・リーチ〉の新局長〈コントロール〉と第十二次調査隊ただ一人の生還者である〈ゴースト・バード〉は、〈エリア?〉に再侵入し探査を開始する。だが領域の奥深くでは、想像を絶する変容が起こっていた!?〈エリア?〉の真相とは? 変わりゆく世界のなかで人類は何を受け入れることになるのか……。エンタテインメント三部作・完結篇

〈サザーン・リーチ〉三部作最終巻。


第三巻では、パートごとに一人称、二人称、三人称が使われ、それぞれが場所も時間も異なっている。
その中心にあるのは、当然、〈エリア?〉。
今まで描かれなかった、前〈エリア?〉時代の出来事がエピソードの一つにはなっているんだけど、謎は明かされるよりも深まるほうが強い。


シリーズ通して、全体的に女性が強く、男性が排除されている印象で、また、ある意味子供が存在しない。
〈コントロール〉は相変わらずヘタレで、出てくるカップルは同性愛者。
それを肩代わりするかのように、〈エリア?〉は増殖し、産み出していく。
変容した〈生物学者〉の古代の地母神のような姿は印象的。


その辺を取っ掛かりにして読み解くこともできそうな気もするけど、まぁ、はっきり言ってよくわからないんだよねw ただ、それがあまりフラストレーションに繋がっていないのが巧み。