今年の読了本2014 - 茫々たる日々

2014年の読了本を回顧。
本来なら、去年末にやらなくちゃいけないことだけど、珍しく色々と重なって暇が取れなくて。

いつもなら、ジャンルごとに書いていくところですが、まず、今年印象的だったのはハヤカワNV！
ジャンル分け困難な上、それ自体がネタバレの作品もあるのが、白背！
なんか毎月のように買っていた印象で、しかも、青背よりアベレージが高い！（個人的に）
そのなかの筆頭が、『プリムローズ・レーンの男』*1。ジャンル好きで、読んでないなら、早く本屋に向かえ！
次点で、『世界が終わってしまったあとの世界で』*2かな。
他にも、『カンパニー・マン』*3『シャイニング・ガール』*4『パインズ -美しい地獄-』*5『スカウト５２』*6と楽しませてもらいました。
〈サザーン・リーチ〉*7は三部作揃ってから着手の予定。

SFは、『火星の人』*8一択！　と言いたいところだけど、改めて概観すると、結構アタリが多かったなぁ。
14年前半は『レッドスーツ』*9ばかりつぶやいていた気がするｗ　
展開にはSF的な部分はないけれど、ジャンル者なら忘れちゃいけないのが『図書室の魔法』*10
『ピース』*11『モンド9』*12『ラブスター博士の最後の発見』*13も忘れがたい。
〈ブックマン秘史〉は『終末のグレイト・ゲーム』*14で完結。ラヴィ・ティドハーは今後も期待。
シリーズものでは『オマル』*15は続刊希望！
『カウントダウン・シティ』*16はミステリレーベルだけど、もはや完全にSF。
『SFマガジン７００【海外篇】』*17はホントに粒ぞろいの傑作アンソロジーだけど、あと2冊くらい出してほしかったなぁ。

「創元海外SF叢書」が新創刊！
『旋舞の千年都市』*18『霧に橋を架ける』*19『月の部屋で会いましょう』*20どれもハズレなし……なんだけど、いきなり、奇想系短篇集2冊ってラインナップはなんとかならなかったの？
今年も期待してますよ。

ファンタジーは、あんまり読んでないなぁ。どれもシリーズものばかり。
〈テメレア戦記〉と〈ヴァルデマール〉は出し続けてくれています。
『魔法使いにキスを』*21は〈（株）魔法製作所〉の最終巻？
『炎と茨の王女』*22は新シリーズ。3巻は今年。

ミステリは全然読んでないので、『その女アレックス』*23一択。でも、ホントに面白かった一冊。

ホラーは、
『NOS4A2-ノスフェラトゥ-』*24はダークファンタジーと言ったほうがいいかもしれないけど、ジョー・ヒルの長編では一番面白かった。
待ち続けた『シルヴァー・スクリーム』*25もやっと！　みんな「夜はグリーン・ファルコンを呼べ」は読め！
『狙われた女』*26はジャック・ケッチャム、リチャード・レイモン、エドワード・リーって、完全にお子様ランチの一冊。レイモン、リーはもっと読みたいなぁ……
『怪奇文学大山脈』*27はその名に違わぬ大アンソロジー。
変わり種では『異形再生: 付『絶滅動物図録』』*28。架空博物誌好きなら無視できない。

その他海外文学は、
『別荘』*29『愉楽』*30と破壊力抜群。特に後者は『異形の愛』読者ならマスト。
『狼少女たちの聖ルーシー寮』*31は待ちに待ったカレン・ラッセルの第一短篇集。
『黄金時代』*32も待った甲斐がありました。
『プリティ・モンスターズ』*33は久々のケリー・リンク
『天国の囚人』*34は〈忘れられた本の墓場〉シリーズ第3弾。
『最後の一分』*35も非常に印象的。
〈エクス・リブリス〉では『アルグン川の右岸』*36が素晴らしかった。

変な話好きとして無視できない存在になってきたのが、〈新潮クレスト・ブックス〉
『もう一度』*37『遁走状態』*38『大いなる不満』*39とプチ異色作家短篇集状態。
しかし、2012年に出た『残念な日々』*40収録の「ツール・ド・フランス」の破壊力にはかなわない。オールタイム・ベスト短篇に上げるレベル。ダメ人間過ぎてｗ
アンソロジーでは『もっと厭な物語』*41『世界堂書店』*42がともに文春文庫で、2015年も期待しちゃう。

ノンフィクションはあまり読めず。
それでも、着手した『シェイクスピアを追え!――消えたファースト・フォリオ本の行方』*43『トップ記事は、月に人類発見!―十九世紀、アメリカ新聞戦争』*44『バンヴァードの阿房宮　世界を変えなかった十三人』*45『月を盗んだ男 NASA史上最大の盗難事件』*46みんな面白かった。
一冊選ぶなら、『バンヴァードの阿房宮』。