WAYWARD

ウェイワード―背反者たち― (ハヤカワ文庫NV)

ウェイワード―背反者たち― (ハヤカワ文庫NV)

『ウェイワード―背反者たち―』ブレイク・クラウチ〈ハヤカワNV1334〉

山間にたたずむ小さな町、ウェイワード・パインズ。絵に描いたように美しいこの町には、ある秘密が……。そんな町で初めての殺人事件が起こる。全裸で打ち捨てられていた女性の死体には、血が一滴もない上に、ひどい拷問を受けた形跡があった。保安官イーサンが捜査を始めると、そこには被害者の意外な正体と、偽りの町に潜む闇が浮かびあがるのだった。M・ナイト・シャマラン監督ドラマ化!衝撃作『パインズ』続篇

『パインズ』*1三部作の第二巻。


作者が「『ツインピークス』のようなものを書きたかった」と語っている割には、街の印象薄いなぁ、というのが前作の感想。まぁ、街の正体を描かなければならないのだから、そこに紙幅は取れない。
しかし、読者はすでに街の成り立ちはわかっているのだから、今作では欺瞞に満ちた街と人々の様子を深く楽しむことができる。


というわけで『パインズ』必読。


欺瞞の王国をコントロールする上層部にとって、欺瞞から逃れようとする〈背反者〉は排除すべき対象。
上層部の駒となってしまった、正義の人イーサンはどのような選択をするのか?
徐々に明らかにされていく、創始者ピルチャーの正体。
イーサンの行動により、ウェイワード・パインズはどうなっていくのか?


一方、カットバックで描かれる、完全に変容してしまった、外の世界の偵察に向かった男。
彼の帰還が様々な意味で混乱を招くことは疑いようがなく、そして彼の正体が、新たな欺瞞を暴くことに……


本当に海外ドラマ的クリフハンガーで、次巻に続く。
こんなことされたら、次も読まんと。