Big Hero 6
『ベイマックス』鑑賞
孤独な少年と心優しいロボットの絆や冒険を描いたディズニーの長編アニメーション。最先端の技術が集う都市サンフランソウキョウに暮らす14歳の天才少年ヒロは、自ら開発したロボットを使い、アンダーグラウンドのロボット格闘技に夢中になっていた。ヒロの良き理解者でもある兄タダシは、そんな弟を案じ、自身の通う大学にヒロを連れて行く。タダシの研究仲間やロボット工学の第一人者キャラハン教授と出会い、感銘を受けたヒロは、大学で最先端の科学を学ぶことを決意。しかし、そんな矢先、不慮の事故でタダシは帰らぬ人となってしまう。目の前で兄を失ったヒロは殻に閉じこもってしまうが、そんなヒロの前に、タダシが人々の心と体の健康を守るために開発したケアロボットのベイマックスが現れ、そのおかげでヒロは少しずつ元気を取り戻していく。そして、兄の死の裏に巨悪が潜んでいることに気付いたヒロは、兄のためにも戦おうと立ち上がるが……。短編アニメ「愛犬とごちそう」(6分)が同時上映。
ヒーローものということは知ってたけど、まさか、ここまでとは!
『アナ雪』*1からの客を引き込むための、「癒やし」を前面に押し出した日本版予告は、興収もいいみたいだし、そういう意味では成功だと思う。
ただ、作品内の、ケアロボット的表現は全部かき集めても、予告分くらいしかないんだよね。
それを期待してたわけじゃないんだけど、もうちょいそこに割かれてるのかと思ってましたわ。
原題どおり、「ナード戦隊ビッグヒーロー6」の物語で、さらに言うなら『ビッグヒーロー6・ビギンズ』
結成、挫折、再生、勝利、とヒーローものをしっかり踏襲。
また、ヴィランが存在するからこそ、ヒーローがいなくてはならない、という構図は『アンブレイカブル』*2を思い出させる。
主人公ヒロの両親はすでに亡くなり、おばさんが育ての親、というのも何か脳裏の浮かぶよねw
原作は同名のMARVELコミックで、かなり改変されている模様(未読)
キャラはそれぞれ立っていて、オリジナルは知らないけどいいんじゃないかなぁ。特に、『Mr・インクレディブル』*3のときもそうだったけど、高速移動キャラは純粋にカッコいいね。
ラストバトルも力押しだけでなく、知略を駆使するのもアガる。
直球のヒーローものだけど、しかし、ケアロボットの要素が皆無なわけではない。むしろ、そこに立脚して物語が形作られている。
作品には二つの柱があって、一つがヒーローもの。もう一つがヒロとベイマックスの交流。
ケアロボットであるベイマックスは究極的に「利他」の存在。ヒロを癒やすために起動したベイマックスは、ヒロに言いくるめられてケアロボットらしからぬヒーロー活動をすることになるけど(そのやりとりが笑いにもつながっている)、ヒーロー活動は悪を倒すのが目的なのではなく、利他行為こそが神々しい。ベイマックスの存在目的とヒーローの行動原理が合致している。
また、ヒロとの交流によって、ベイマックスに感情が芽生えた……かどうかはわからない。しかし、ベイマックスの利他行為は結果的に感情があるように見えるんだよね。
そう見えるのは、ひとえにベイマックスのデザインの勝利という他ない。
クレイ社長の眼鏡秘書の出番がまるでなかったのが大きく減点だけど、キャスおばさんがエロいので問題ありませんw
あと、フレッドの執事は、まさにベスト執事w
そして、エンドクレジット後のおまけが、ある意味、MARVEL映画以上にヲタ以外の客を置き去りにするポカーン状態w でも、これが爆笑&夢のシーンで涙腺に来る。ホント夢があるシーンだよなぁ。
毎度恒例の併映短篇は『愛犬とごちそう』
なんかいろいろ言われてるけど、どんだけアニメと現実の区別ができない人がいるの?
そもそも、ディズニー(ピクサー)の短篇は、新技術のサンプルを見せるための短篇なんだから、映像を愉しめばいいのに。
今回は、ナイン・オールド・メン的な絵柄をCG再現して、それを3Dで見せるのが目的でしょ? だから『わんわん物語』*4を彷彿とさせる「ごちそう」なわけで。
まぁ、犬にベーコンはぎょっとするけどねw