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親衛隊士の日

親衛隊士の日

2028年に復活した「帝国」では、皇帝の親衛隊員たちが特権を享受していた。貴族からの強奪、謎のサカナの集団トリップ、蒸し風呂での儀式など、現代文学のモンスターが放つSF長篇。

よいやさ〜! アーッ! よいやさ〜! アーッ! 


これ以上の感想はないと自負してるんですがw
透明骨格標本チョウザメなのかな?)を組み合わせた、女性器を思わせる表紙も秀逸。


これまでに訳されたソローキン作品の中では一番読みやすい。
社会風刺、批判は置いといて、ストーリーや文体などは、他の作品とは比較にならないほど平易。


舞台は未来。
ロシアは帝政が復活。西ヨーロッパはどうやら斜陽で、エネルギーはロシア頼み。しかし、そのロシアも中国の影響は多大で、無視できない。
国内では、貴族やインテリは毎日のように粛清されていく。それを実行していくのが、主人公たち親衛隊士。
貴族の財産を没収し、その妻を輪姦し、官僚を処刑し、謀略によって反対勢力を炙り出し、賄賂で流刑を見逃し、サウナで汗を流す……そんな暴力と欲望にあふれた物語。
しかし、それは特別なことではなく、親衛隊士の日常であり、日々の業務をタイムスケジュールどおりに見ているに過ぎない。
また、過去の自分たちの文化を否定し、食いつぶすような、専制社会主義国家の愚かな部分も見えてくる。


『青い脂』*1にあったような珍妙なガジェットは少なく、印象的なのはチョウザメトリップくらい。
ただ、ラストのサウナが全てを持って行ってしまってるなぁw


よいやさ〜! アーッ! よいやさ〜! アーッ!