Dictado
2012年・第62回ベルリン国際映画祭のコンペティション部門に出品されたスパニッシュホラー。小学校教師のダニエルは、謎の言葉を残して自殺した親友マリオの娘フリアを預かることに。まだあどけなくかわいらしいフリアだったが、なぜか彼女は、ダニエルが心の奥底に封印していた子ども時代の忌まわしい事件を知っていると言う。マリオの自殺の真相やフリアに隠された秘密が次第に明らかになり、ダニエルは正気を失っていく。監督は、ベルリン映画祭金熊賞受賞作「悲しみのミルク」のプロデューサーも務めたアントニオ・チャバリアス。
引き取ったフリアは、主人公が幼い頃に死んだ少女の生まれ変わりなのか? 主人公の隠された過去、親友の自殺の理由は? と謎が徐々に明かされていき、
非常に堅実な作りなんだけど、あまりサスペンスフルに煽ったりせず、薄味に感じてしまうのは、ハリウッド映画に毒されちゃってるのかな……
主人公が過去に起こしたことは確かに酷いんだけど、彼が今もその性質を保ったままという表現は目立たないし(彼が悩み続けたというのも自称しかないんだけど)、あそこまで断罪されちゃうのはいかがなものかなかなぁ、という感想は甘やかしすぎ?
一方で、意外に冷ややかな人間性で、過去を反省せずに、小学校教諭を続けていたと見れば、それはそれで気色悪い。
なんにせよ、この後の人生を考えると、けっこうモヤモヤするラスト。