Du hast es versprochen



『ロスト・メモリー』鑑賞

幼い頃の失われた記憶がよみがえるにつれて、恐ろしい真実が明らかになる様子を描いたドイツ製サスペンススリラー。地元病院で医師として働くハンナのもとに、幼い頃親友だったクラリッサが患者としてやってくる。それをきっかけに2人は旧交を温め、子ども時代に互いの両親とバカンスへ出かけた小さな島を訪れることに。しかし、島には不気味な雰囲気が漂い、住民のマリアは失踪して行方がわからなくなっていた。2人は子どものころに一緒に遊んだはずのマリアの存在をすっかり忘れ去っていたことをいぶかしく思い、過去を探り始めるが……。

小説同様、最近はヨーロッパのミステリ(サスペンス)映画の上映が増えた。


今まで観た作品が偏ってるのか、それとも実際に多いのかわからないけど、なんとなく、冬が舞台の作品ばかりの印象なんだよね。
で、そこに映る風景は陽光も弱く、空気が冷たい。ひじょうに寒々しく、それだけで、なにか孕んだ絵になる。
この作品も、冬の小島が舞台で、雪、海、森、廃墟、と全てに生命が感じられず、それだけでサスペンスフル。出てくる生き物は店先で捌かれた魚や、潰される虫など、それを助長する。
物語は、室内だけどどこか軋んだような緊張感のある現代と、真っ白な森の中で血に染まった服が鮮やかな少女時代のフラッシュバックが描かれる。
いったい、失われた記憶には何があるのか?
てっきり、また『チャイルドコール』*1ネタ? と思いきや、『フリア』*2な感じで、更にひねったサイコさんの復讐劇で、ラストシーンも非常に印象的。


上映期間が短かったけど、これはけっこうアタリだなぁ。