The Cabin in the Woods



『キャビン』鑑賞

「LOST」「クローバーフィールド HAKAISHA」の脚本で知られるドリュー・ゴダードが監督・脚本、「アベンジャーズ」のジョス・ウェドンが共同脚本・プロデュースを務めたスリラー。二転三転する展開が話題を呼び、全米でスマッシュヒットを記録した。女子大生のデイナは友人のジュールスに誘われ、仲間と5人で山奥にある別荘にやってくる。しかし、デイナたちの行動は謎の組織によりすべて監視されており、5人は事態のすべてをコントロールする組織が描いたシナリオどおりに動かされていた。そうとは知らないデイナらはさまざまな恐怖に襲われ、ひとりまたひとりと命を落としていくが……。

ホラー映画版「オメラスから歩み去る人々」*1と言ったら、飛躍しすぎ? 褒めすぎ?


「絶対予想できない」的なCMに、反感持ったり、挑戦的になる人はいると思うんだけど、終盤の展開はたしかにいい意味で予想外。
ひょ〜! 楽しい〜! って感じ。


映画的には、仕掛けに驚くパズル系なんだけど、ホラー映画あるあるで進みながら、謎の組織による監視が挟まり、ところどころ下世話な笑いが投入され、飽きさせることがない。
オタクジャンルでは、ジョス・ウェドンに全幅の信頼を置いていいね。


クリス・ヘムズワースに似てるのがいるなぁ、と思ったら、クリス・ヘムズワースでした。


注:物語の性質上、感想はネタバレせずにはできないので、以下は承知でお読みください。


てっきり、ホラー的お約束展開がしばらく続いた後に、謎の組織が出てくると思いきや、初っ端から彼らは登場し、ダメ官僚というかサラリーマン的ぼやきをバックに、タイトルコールで一笑い。
この時点で、この組織ダメそう……という予感がするんだけど、まさにその人員とシステムの腐敗によって、この物語世界は崩壊していくことになる。


これまでの、ホラー/モンスター/スプラッターetc.を全て包含した内容で、ジャンル映画の極右とも言える構造は、追随を許さない一発ネタ。
我らが喜んで観てきたホラー映画内の犠牲者によって、この世の安寧が保たれているとわかったら、これからも冷静で観られるだろうか? いや、観られるんだけどね(笑)
ただ、何を観ても、全部あのゲージに入ってるんだよね、とこれに還元されてしまうほどの破壊力を持った作品。


とにかく、終盤の怪獣総進撃が楽しすぎる。あれのために、もう一度観に行ってもいいなぁ。
観るものと観られるものは攻守逆転し、一切の秩序はなくなり、世界は破壊される。
これって、誰もが発信者となった世界に新秩序をもたらすには、古典的な映画力が必要ってこと?(笑)


ラスト登場のボスキャラは『○○○○ー○』の○○○ー・○○ー○ーと全く同じ使い方で、いい無駄遣い(笑)