アダム=トロイ・カストロ補完
アダム=トロイ・カストロ補完という意味で、SFマガジンに着手。
1999年9月号『特集・世紀末ホラーの混沌』
・「バックアップ・ファイル」……マイケル・マーシャル・スミス
事故で家族を亡くした男。
彼はバックアップしていた、幸せな家族の記録をリロードすることにするが……
『みんな行ってしまう』*1の読書記録を読むとイマイチな感想なんだけど、あれ? 結構面白い。成長したのか?(笑)
非常に嫌な話で、摂理に反したための呪いのような物語。
・「燃料」……アダム=トロイ・カストロ
自殺した男は、絶望した生物の魂で航行する超次元の船の燃料となっていることに気づく。
一方、地球生命の祖先の永遠の敵もまた燃料になっており、二人は対峙することに……
個人的には、ベスターみたいな熱量を感じた。
まさにエンジン内の燃料のようにぎゅっと圧縮されており、長編化に耐えられなさそう。
特集紹介で、21世紀に大化けするかもしれない作家として紹介。さすが!(笑)
・「クリスマスの扉」……ディーン・ウェズリー・スミス
老人ホームに、毎年クリスマスに現れる老婆の幽霊。
彼女はドアのところで消えるのだが……
これは普通にいい話。
・「ただひとつの影」……スティーヴン・デッドマン
日本に赴任した英語教師。
彼は厄介になっている家族の息子のドッペルゲンガーを目撃するが……
う〜ん、イマイチ。
・「メタリカ」……P・D・カセック
婦人科で検査を受ける女性。
彼女の目的は……
この号では、これが一番のアタリ。
Hot Blood*2シリーズに入っていそうな佳品。
生理的嫌悪感の強い作品で、男が読んでも嫌な気分になるなぁ。
2001年11月号『特集:ヒューマノイド・ロボットの未来』
・「ロボットは隣人を愛す」……アレン・M・スティール
家庭用ロボットの開発競争をする2チーム。
しかし、一台がもう一台の頭にリンゴを叩きつけるという行動を見せ……
ロボットの自我? と行くと思わせて、コミカルでハートウォーミングなオチ。
「マジンラ世紀末最終大決戦」*3も好きだし、スティールの短篇は読んでいこうかなぁ。
・「最後のロボット」……アダム=トロイ・カストロ
ある著名人の墓に佇むロボット。
その理由は誰にもわからず、幾星霜が過ぎていく……
読後感が、Boichiの「Hotel」*4に凄く似てる。
SF度は向こうが上で、SF愛はこちらが上か(笑)
長篇を1作しか読んでないからなんだけど、アダム=トロイ・カストロは短編の方が面白いかなぁ。