罪のスガタ

罪のスガタ

罪のスガタ

『罪のスガタ』シルヴァーノ・アゴスティ〈シーライトパブリッシング〉
イタリアの映画監督、作家の短篇集。
2009年発行なんだけど、今年の『SFが読みたい!』*1で知るまで全く存在に気付かなかった1冊。
これまた流通が狭そうな出版社からの本で、去年、『ゾラン・ジフコヴィッチの不思議な物語』*2、『ブルガーコフ作品集』*3を見つけたときに湧き上がった、小出版社からレーダーに引っかかってない作品がけっこう出てるんじゃないか? という懸念が再燃。


収録作品
・「裁判官」Il giudice
 彼は自分が老婆を殺す夢を見るベテラン裁判官。
 毎晩のように現れるが、まるで記憶にない。
 学生時代に訪れたハンブルクで犯したのか?


・「被害者」La vittima
 ある日探偵から、自分の殺人事件について調査していると告げられた男。
 犯人と理由を特定するため、これまでの人生を思い返していくが……


・「殺人犯」L’assassino
 考えただけで人を殺せる少年。
 彼は政治の世界を登りつめていく……


異色短編、というより映像作家ということもあるのか『世にも奇妙な物語』みたい(笑)。
個人的には「殺人犯」が一番面白かったかな。
気になったのが、買春や不倫が日常生活のように描かれていること。イタリアのイメージどおりで笑っちゃうくらいだけど、ホントにこんなん?