Terror over Hollywood

予期せぬ結末3 ハリウッドの恐怖 (扶桑社ミステリー)

予期せぬ結末3 ハリウッドの恐怖 (扶桑社ミステリー)

『予期せぬ結末3 ハリウッドの恐怖』ロバート・ブロック〈扶桑社ミステリー フ40-4〉

意想外の設定と冴え渡るラストのひねり。稀代のアンソロジスト井上雅彦が贈る、海外異色作家短篇シリーズの第三巻が登場。映画『サイコ』の原作者として名高いブロックは短篇の名手でもあった。故・瀬戸川猛資氏が「おもしろくて怖くて、仕掛けがあって、そのくせどこかユーモラスな味がある」と激賞した才人の手になる珠玉の作品群から、未訳作と個人集未収録件のみセレクト。映画界にひそむ恐怖を描く表題作はか、ミステリー、SF、ホラーなど各ジャンルの名篇12本を厳選!


収録作品
・「殺人演技理論」
・「奇術師」
・「マント」
・「プロットが肝心」
・「クローゼットに骸骨」
・「殺人万華鏡」
・「ハリウッドの恐怖」
・「牧神の護符」
・「心変わり」
・「弔花」
・「影にあたえし唇は」
・「ムーヴィー・ピープル」

さすがはブロック、どれも面白い! ……と素直に言いたいんだけど、正直、ミステリーやホラーの源流を知る、という古典的な楽しみ方しかできなかったなぁ。
確かに上手いし、キレのいい短篇として読ませるけど、催眠や狂気など、精神異常ネタは、今となってはオチやトリックを予想できない方が難しいと言っても過言ではない。当時は斬新だったんだろうなぁ、という凄さは伝わるんだけど。
逆に、そこに焦点のある作品や恐怖に理屈をつけた作品よりも、ラストの至る過程がリリカルなものの方が、読後も幻想味が残って印象的かな。


お気に入りは、「奇術師」「心変わり」「ムーヴィー・ピープル」。
ブロックの作品って、既視感があるんだよね。他のアンソロジーや短篇集で読んだのか、似たような他作家の作品なのかわからないw
「ムーヴィー・ピープル」は何度も読んでるんだけど、どうしても誰かの似た作品を読んだ記憶が拭えないんだよなぁ。


次はマシスン(だよね?)
こういう小説は大好きだから、出してくれるのは嬉しいっちゃあ嬉しいんだけど、正直、もっと最近の作家でこういうの出して欲しいんだよなぁ…