La invencion de Morel
- 作者: アドルフォビオイ=カサーレス,Adolfo Bioy Casares,清水徹,牛島信明
- 出版社/メーカー: 水声社
- 発売日: 2008/10
- メディア: 単行本
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散々オススメと言われ続けてきて、ようやく着手。
何者から逃げて、無人島にやってきた男。奇病の噂があり、誰も近寄らない。島に唯一建てられた屋敷に身を潜めていたが、ある日、突然、十数人の人間がそこに現れる。一体どこから? 姿を見られないように彼らを観察するうち、その中の一人の女性に恋してしまう。しかし、彼らの正体は……
おおっ! SFじゃん!
彼らの正体自体は途中で何となく想像つくし、実際そのシステムは半ばで明かされるんだけれども、語り手の現実が彼らに繰り込まれていく様、そもそも彼自体の現実とは? とラストに向けてぞくぞくする。
全く信用の出来ない語り手、彼の正体など、読み終わった後に他の人と意見交換したくなる一冊。最近の作品だと「アメリカの七夜」とかに感触が近いかな。
オススメ。
以下ネタバレ感想
語り手=モレル、かどうかは読み込めてないんだけど、
語り手と、この手記そのもの全てが、記録器の再生なんじゃないだろうか。
日付の矛盾は、その記録の再生のループに当たっていて、彼が島に来たときからすべてが記録され続けている。たびたびかかれる身体の不調は、食べ物は環境のせいではなく、すでに魂を抜かれているとか。
まぁ、いろいろ妄想しても、答えは出ないかもしれないけど、他の人と話し合いたくなる作品でした。