Guardians of the Galaxy Vol. 2


『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス』鑑賞



アベンジャーズ」シリーズに代表されるマーベル・シネマティック・ユニバースの一作で、お尋ね者たちが成り行きでチームを結成し、銀河の危機を救う羽目になる姿を描いたアクションアドベンチャーガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のシリーズ第2作。スター・ロードを自称するいい加減なリーダー、ピーター・クイルを筆頭に、美しき暗殺者のガモーラ、毒舌なアライグマのロケット、樹木型ヒューマノイドで25センチまで再生したグルート、マッチョな破壊王ドラックスのガーディアンズの面々が、新たな危機に直面し、再び強大な敵と立ち向かうことになる様を描く。高慢な指導者アイーシャが率いる黄金の惑星で、小遣い稼ぎの仕事をこなしたガーディアンズ。しかし、ひょんなことからアイーシャを怒らせてしまい、追われる身に。危機に陥った彼らの前に、ピーターの父親だという謎の男エゴが現れるが……。クリス・プラットゾーイ・サルダナら前作からのキャスト陣に加え、ピーターの父エゴを演じるカート・ラッセルのほか、シルベスター・スタローンも参戦。監督・脚本も前作と同じジェームズ・ガン

2D字幕×2、IMAX3D字幕、4DX吹替、爆音字幕、と5回観賞(6/17現在)
この時点で評価はわかるかw


最高だった前作*1
続編も非常に高評価という噂は耳にしていたけど、同じような前評判の『ドクター・ストレンジ*2がイマイチだったから、そりゃ、実際に見るまで警戒しますよ。
爆弾のくだりをフィーチャーした予告は何度見ても楽しかったけども。


いや〜〜〜〜
これ、最高・オブ・最高ってやつ!?
続編のほうが面白い作品って、前作とテイストが変わってることが少なくない中、傑作たる第一作をそのままスケールアップさせた続編映画としては史上最高レベルじゃないかなぁ。
前作の世界観をそのまま引き継ぎ、キャラクターたちを掘り下げ、テーマも前作を受けている、という教科書的作りなんだけど、この基本がエンタメ映画はなかなかできないんだよね。
そこがジェームズ・ガン監督の技量とバランス感覚なんだと思う。


ネタバレで書いちゃうんで、未見の方は後ほど。


アバンタイトル(厳密には違うけど)から始まるのは前作同様だけど、アバンタイトルと言えばのインディ・ジョーンズと異なるのは、そこでの騒動がラストまで関わってくるんだよね。
ラストから逆算すれば、電池を盗むのは当然なんだけど、それがストーリー上の都合ではなく、ロケットなら盗んじゃいそうと思わせるのが巧いんだよなぁ。
軽快な「ミスター・ブルー・スカイ」をバックにした長回しで怪物退治する短いシークエンスだけで、スター・ロードとガモーラは一線を越えてなさそうで、ロケットは相変わらず憎まれ口、ドラックスは激しい感情を仲間に見せるようになっていて、ベイビー・グルートは可愛すぎ、とキャラ紹介を済ませちゃう。
また、この「ミスター・ブルー・スカイ」がヨンドゥとも被っていて、改めて観るとここからもう涙腺の水門が開き始める。


前作ははぐれものたちが家族を作る物語だったけど、今回はより深く「家族とは?」というテーマを深く掘り下げながら、しっかり一級エンタメに昇華。
そして、なりゆきで、やはり銀河を救うことになってしまう。


ガン監督が、キャラを魅力的に見せるよう物語を作った、と言っているように、あざとすぎるグルートだけでなく、すべてのキャラクターが愛おしい。明確な悪役のテイザーフェイスでさえも。
超人類たるソヴリンの戦闘機遠隔操作が、なんで「アフターバーナー」げな筐体なのよw しかもピコピコ音でモニターの解像度悪いしw あのハイスコアのギャラリーっぷり。


新メンバーのマンティスがかわいくてなぁ。
新キャラは悪目立ちすることが少なくないけど、彼女がちゃんとガーディアンズに馴染んでるんだよね。エンドロール中の踊りもどんくさいのに楽しんでる感がいい。予告だとギャグパートに見える彼女の純粋な心とエンバス能力が物語を展開させるポイントにもなっていて、ドラックスのこどもを思う心を読んだからこそ、エゴへの反発を決意する、という流れ。


その彼女と迷コンビになってるドラックスがすっかりおもしろおじさんにw 彼は比喩表現が理解出来な種族ではなくて、嘘や誤魔化しが苦手ということがここで明らかになる。だからこそ、ギャグとして落とされているように見える彼の意見は正鵠を射ており、「ピーターとヨンドゥがそっくり」というセリフは終盤で効いてくる。また、登場キャラのほとんどに親がいないかろくでなしの中、彼だけが唯一ちゃんと家族を持ったことがあるんだよね。


ロケットは相変わらずの憎まれ口と手癖の悪さ。
それがやはり大きく物語に関わってくる。
しかし、彼もマンティスとは違う方法で心を見透かされ、真の仲間へと成長する。
狙ってるのわかってるけど、グルートは可愛すぎ。そんな彼も中二病に……w


ウンコチンチ〜ンと騒ぐ男子を一人でたしなめるガモーラ姉さんw そんな彼女もまた、妹のネビュラの気持ちを汲めておらず、ピーターとの関係も進展なし。それらをマンティスがつなぎとめていく。


ピーターはやっぱり相変わらず中二というか、永遠の小二w 父が現れ、しかも神! 光の戦士とか本気で喜んじゃいそうなんだよなぁw 
キャッチボールのシーンの空々しさは最高。
彼の「父はデビッド・ハッセルホフ」というウソは前作のケヴィン・ベーコンを受けての80年代ネタの天丼なんだけど、これがまた最後で泣ける。
本当の父親が現れて、仲間たちの忠告に耳を貸さなかった彼も、最終的にはロケットの本心を理解し、大人へと成長する。グルート語も理解出来てるのもまた。
そしてZune。ピーターは地球はまだカセットテープだと思ってるのかなぁw
今後地球に来るなら、きっかけは『フットルース*3を見に来るとか、Zuneが充電できなくなっちゃって、その修理に、とかどうでもいい理由で来て欲しいw


そして、ヨンドゥですよ。
前作でも最高にカッコよかった彼ですが、今作は完全にストップ高
ピーターとのやり取りがホントよくて、「メリー・ポピンズはクールガイだぜ」とか、ギャグに見えても、ピーターの表情からヨンドゥを慕っていることがよくわかる。
前作ラストで、ピーターを父親に渡さなかった理由が、悪党らしい口ぶりでごまかしていると思いきや、それが真実をついており、彼の後ろ暗い過去とリンクし、未来へとつながっていく。そこで流れるのが「Father And Son」。父を想い、チームの子どもたるグルートと聴く。
死んでほしくないキャラだったけど、最期としては最高。MCUとしては、仲間キャラが死ぬのは初? 
ラストでクラグリンが咆哮するシーンは思い出しただけで泣く。


瑕は邦題のみ。


ちなみに、吹替は良かったですよ。
前作でイマイチだった加藤浩次ロケットも馴染んでたし。
あえて言うなら、山ちゃんの声がカッコよすぎ。クリプラの間の抜けた感じが薄いかな。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス オーサム・ミックス・VOL.2(オリジナル・サウンドトラック)

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス オーサム・ミックス・VOL.2(オリジナル・サウンドトラック)