Suicide Squad



『スーサイド・スクワッド』鑑賞


バットマン」や「スーパーマン」などと同じDCコミックスに登場する悪役たちがチームを組んで戦う姿を描くアクション作品。バットマンをはじめとするヒーローたちによって投獄され、死刑や終身刑となった悪党たちが、減刑と引き換えに「スーサイド・スクワッド(自殺部隊)」の結成を強制され、危険なミッションに挑む。ウィル・スミスや「ウルフ・オブ・ウォールストリート」のマーゴット・ロビー、「ロボコップ」のジョエル・キナマンら豪華キャストが共演。バットマン最大の宿敵として知られ、これまでにジャック・ニコルソンヒース・レジャーが演じてきたジョーカーを、「ダラス・バイヤーズクラブ」でアカデミー賞を受賞したジャレッド・レトが新たに演じる。監督は「フューリー」のデビッド・エアー。

ああ……ハーレイかわいいよ……ハーレイ……


ハーレイ・クインは、アニメ初登場でマンガに逆輸入された、珍しい出自のキャラクター*1

だから、リアル系の絵柄だと(個人的に)ハマらないことが多いし、実写化となれば、人気キャラだけに、どうアレンジするかが大きな課題だったと思う。


「New52」で大きくデザインが変わったのに、しっかりハーレイ。

また、ゲーム〈アーカム〉シリーズも、リアル寄りにも関わらず、違和感ないデザイン。それらを踏まえての実写化コンバート。


これまでのデザインとぜんぜん違うのに、ハーレイ以外の何物でもない。
演じるマーゴット・ロビーが目や口が大きくて、素顔の段階でハーレイという圧倒的説得力。乙女にしてビッチ、ハーレイの魅力を余すことなく表現できている。
「プリンちゃ〜ん」が実写で聞けるだけで満足w
コスプレしやすくなったのもあるけど、映画版がスタンダードになりそうな勢い。


以下ネタバレ


一方、その相手ジョーカーも、これまでのジャック・ニコルソンヒース・レジャーとは違うけれども、ジャレッド・レトが鬼気迫る怪演。
ただ、登場シーンはかなり少なく、これなら、出さなくてもよかったんじゃないかなぁ。
興収がいいから言えることだけど、ハーレイ単独の作品の方で登場したほうが収まり良かったような。
また、原作と違って、ツンデレ気味にハーレイ・ラブなのが気になる。DCEUはこれで行くのかな?


この際、ラブラブなのはいいとして、ハーレイの願望がジョーカーとノーマルな家庭を築くというのだけが認められない。「原作は〜」と持ち出す以前に、本作中でも、精神科医(ハーレイになる前)の時点で、ジョーカーに魅入られちゃってるんだから、メイクも何もしてない普通の家庭を夢見るのはおかしいでしょ?

こっちをやってほしかった…



というわけで、本題。


キャラ映画としては高得点。
ハーレイ以外のメンバーもそれぞれ、プロフィール紹介画面と回想シーンは面白い。というか、それだけで2時間見たかったんですけど。
でも、キャラが多すぎるよなぁ。
どうしても比べちゃう『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー*2が基本終始5人だけで物語が進み、かつ、5人の過去は実はそれほど語られていないにも関わらず、彼らのことをよく知ってるように感じさせるのとは対照的に、こちらはあらゆることが「足りない」と感じてしまう。
上記したジョーカーのみならず、それぞれの見せ場が少ない。
主人公格のデッドショットとハーレイ以外だとエル・ディアブロが良かったけど、キャプテン・ブーメランとか、美味しいキャラだけにもったいない。
また、テンポよく『GotG』の5人が心通わせ、宇宙を救うことになってしまう展開がグッと来るのに、こっちはその感慨が薄い。人権を奪われるような極悪人の割にはあまり悪そうに見えないし。『GotG』の5人は泥棒くらいならしちゃいそうw


エンチャットレスの置き場所が悪いんだよなぁ。
そもそも、彼女を意のままにできるなら、他のメンバーいらなくない? 人間から見ればスーパーマンレベルの超人なんだから。
どうせ倒すなら、身内ではなく、スクワッドとは関係ない敵という方が収まり良かったと思うんだよなぁ。
某国への平和活動という建前で彼女の遺物を奪いに行ったら、制御できず、それをもみ消すために秘密部隊を派遣する、という方がスーサイド・スクワッドっぽいよね。
エンチャットレスの最終兵器はなんなの? あと、エンチャットレス弟が爆弾で倒せるなら、ハリウッド大好きな核ミサイル落としちゃえばいいのに。


ちょっと驚いたのは、『バットマンvsスーパーマン*3と直結してる物語ということ。
これだけで独立してると思った、というか、ヒーローたちの存在は台詞で言及させるにとどめて、独立させたほうが良くなかった?
まさか、バットマンはかなり出てくるし、フラッシュまで顔見せするとは。
有機的につなげるつもりなら、『BvS』にアマンダ・ウォラ―くらい出しといたほうが効果が上がったと思う。


あとは「アメコミ的カッコイイ」シーンがないこと。
デッドショットの跳弾も操って狙撃、みたいのは回想シーンだけで、あとは乱射してるだけだもんなぁ。
あのかったるい『BvS』でさえ、バットマンのシルエットとかワンダーウーマンの登場シーンは目が醒めるのに、本作にはそれがない。


まぁ、『スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー*4『エンジェル・ウォーズ』*5のおかげで、予告が世界一面白い映画は、本編は大したことない、と学んでるので、期待はしてなかったんだけどねw