The Sessions



『セッションズ』鑑賞

障害者の性を題材に、首から下が麻痺してしまった男性が愛する女性と肉体的にもつながりたいという願いをかなえるため奮闘する日々を、温かなユーモアとともに描く。幼少期にかかったポリオが原因で首から下が麻痺し、重度の呼吸障害を抱えるマークは、それでも人生を悲観することなく生きてきた。38歳になり、若く美しいヘルパーのアマンダに恋したマークは、健常な男性同様に「愛する女性と肉体的にもつながりたい」と願うようになる。周囲の励ましもあり、意を決したマークはセックスセラピストのもとに通い始めるが……。主人公マークを演じたジョン・ホークスが第70回ゴールデングローブ賞ドラマ部門で主演男優賞に、セラピスト役のヘレン・ハントが第85回アカデミー賞助演女優賞にそれぞれノミネートされた。監督は自身もポリオサバイバーであるベン・リューイン

難病ものを、こういうカラッとしたコメディにできる地力はさすがだよなぁ。
国内作品を知らないだけかもしれないけど、どうにもお涙頂戴一辺倒に見えちゃうんだよね。そりゃ、死んじゃえば感情は揺さぶられるけど、あまりに芸がない。


平たく言うと『アメリカン・パイ』*1みたいな感じ(平たくしすぎ)
ポリオによって首から下が麻痺状態の男性が愛する女性と心身ともに結ばれたいがため、セックスセラピストに通い、彼を支えていく愛すべき友人たちとの交流を描いた物語。
重度の障害にもかかわらず、頭脳明晰で皮肉なユーモアを忘れない、かなり特殊な主人公なんだけど、やってること・考えてることは完全にボンクラ童貞と同じw ハウツー本で色々調べちゃうとか。


セラピスト役のヘレン・ハントがお見事。全裸あり(ボカシなし)で、50には見えないなぁ。また、立ち振舞がプロで、ヌードではなくネイキッド、という感じ。タレ目がちの表情もいい。
主人公の友人の神父をウィリアム・H・メイシー。神父としては婚前交渉は認められないけど、友人としてはオッケー! という困り顔が絶品。
名前チェックし忘れたんだけど、眼鏡のヘルパーさんも印象的。


ただ、非常にドラマチックな出来事にもかかわらず、なんか映画的ドラマチックさが薄いんだよなぁ。
似た話なら『最強のふたり*2の方が遥かに熱くなるし、『50/50』*3のギャグパートにもかかわらず感動する、というのがあまりない。
それでも、良かったかと訊かれればオススメできる作品であることは間違いない。