2013年12月号

今月の特集は、ジャック・ヴァンス追悼特集」
ヴァンス年譜が波瀾万丈と「なぜか採用」の連続で面白い。


翻訳は4本。
・「世界捻出者」……ジャック・ヴァンス
逃亡犯の女を追って、ある惑星までやってきたらなーく。
そこには一人の異星人がおり、彼が精神で作り上げた世界に彼女はいるというのだが……
正直、単に古いスペオペで、個人的にはイマイチ。


・「ミス・ユニバース誕生!」……ジャック・ヴァンス
様々な惑星から集められた美女たち。
果たして優勝は?
骨格は嫌な上司への復讐、というよくあるものなのだけど、それを覆うエイリアン美女の数々が楽しい。
復讐方法とエイリアンの生態も有機的に結びついていて展開の不自然さも薄い(ちょっとわざとらしい気がしないでもないけど)。


・「暗黒神降臨」 ……ジャック・ヴァンス
開発中の岩だらけの星。
鉱脈のそばで作業員が突然消えるという事件が続く。
その謎を解くように、傲慢な男から依頼されたマグナス・リドルフは……
〈タフの方舟〉*1に多大な影響を与えたと言われるシリーズ。
依頼は完璧に果たしながら、マグナスの知略と皮肉によって依頼人が痛い目を見る、というパターンはよく似ている。
これはまとめて読みたいなぁ。


・「パリンプセスト」 ……チャールズ・ストロス
先月号と前後編。
人類を絶滅させないよう、何度もタイムトラベルを繰り返し、世界を作り変えていく組織。
若きエージェントは、自分が何者かに命を狙われていることを知るが……
正直、何が行われているんだかわからないんだけど、迫力とSFマインドに溢れ、面白い中篇と紹介してしまいそうw
でも、退屈せずに前後編読んでしまったのは事実。
訳されているものだけ判断するなら、ストロスは長めの短篇〜中篇くらいが好みだなぁ。


追悼・金子隆一
「センス・オブ・リアリティ」再録
未発表原稿「中生代のシー・モンスター」第一章掲載。
ホントに残念……


「タイム・スリップSFM」1955年11月臨時増刊号。


大森望の新SF観光局」お休み


堺三保アメリカン・ゴシップ」第50回
ゼロ・グラビティ


「SF挿絵画家の系譜」最終回
なんか突然感が強いんだけど……


「サイバーカルチャートレンド」お休み


「サはサイエンスのサ」第222回
目で見ることと感じること2


「センス・オブ・リアリティ」は、
香山リカは、ネットのコミュニケーション
右ページが広告だと寂しいなぁ……


「乱視読者の小説千一夜」第34回
続・1961年ロンドンの旅


「SFのある文学誌」第24回
「新しい女」と新世界


「パラフィクション論序説」第14回
書く者と書かれる者/読む者と読まれる者


「近代日本奇想小説史[大正・昭和篇]」第5回
〈日本少年〉の作家と少年冒険小説2


「MAGAZINE REVIEW」は〈インターゾーン〉誌
"Cat World"ジョージーナ・ブルース
"The Pursuit of the Whole Is Called Love"L・S・ジョンスン
"Just As Good"ジェイコブ・A・ボイド
が面白そう。


来月の特集は、「第1回ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作決定!」