A Serious Man

『トゥルー・グリッド』の予習を兼ねて『シリアスマン』鑑賞
昨年度のアカデミー賞にノミネートされながら、1年遅れでやっと上映。


ヨブ記』をモチーフにした、コーエン兄弟の半自伝的作品。
観に行く前に、最低限『ヨブ記』のあらすじと解釈を読んどいた方がいい。それがないとかなり高確率でポカーンな目に。いや、頭に入れといてもポカーンなんだけど(笑)


ユダヤ人コミュニティが舞台になってるんだけど、改めて、自分がユダヤ教のことを全然知らないことを思い知らされる。
ただ、その知識があれば、笑いどころがわかるかどうかは不明。


先述したように『ヨブ記』と同じく、次から次へと悪いことが振りかかる真面目な男が主人公。
ヨブ記』の不幸に意味があるのかないのか、解釈がよく分からないらしく、こちら『シリアスマン』でもシュレディンガーの猫不確定性原理が言及されるように、物語的に不幸の連続に意味があるのか、やはり分からないんだよね。それ故に、予定調和で終わらない。
アントン・シガーのように、人間の手ではどうしようもない運命、というのが根底にあるのかな。
ただ、かわいそすぎて、そこが笑えるのは確か。また、挿入されるエピソードや演出も意味不明。特に歯医者の逸話は本編より強烈に印象に残るかも。個人的には境界のプロが好き。


難解なのか、なんの意味もないのか、その時点で惑わせちゃうのが術中にはまってるんだろうなぁ。