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キリストのクローン/真実 (創元推理文庫)

キリストのクローン/真実 (創元推理文庫)

〈キリストのクローン〉三部作第二巻。

キリストの遺骸を包んだトリノの聖骸布に付着していた細胞から、極秘裡に誕生させられたクローン、クリストファー。長じて彼は、世界各地に勃発した紛争をへて国連での地歩を固めた。だが折も折、三個の小惑星が地球へ接近しつつあり、そのひとつが地球に衝突するという知らせがもたらされた。全世界を覆う、まさに「ヨハネの黙示録」の再現たる災厄。クリストファーの口から語られる恐るべき旧約聖書の真実。そしてついに彼は人類の運命について語りはじめる。圧巻という言葉は本書に対してこそ捧げられる。

真逆の立場とは言え、まさに『オーメン3』*1でやってほしかったこと、を見せてくれたのが第一部*2
クリストファーが国連で地固めを進めている前作の直後から物語は始まる。


ちなみに、第一部が上下巻だったのに、今回は一冊だけと短めで、第二部は一部と三部の橋渡し的存在だとか。しかし、その内容は非常に濃い。


前半は、三つの隕石が地球を襲い、人類史上未曽有の大災害が、息つく間もなく一気に世界の破滅が描かれる。ここだけ抽出するなら、メテオ・クライシス、ディザスターものとして、圧倒的な迫力を持っていて、これだけ質が高いものはなかないと思う。
しかし、作者にとって、「ヨハネの黙示録」など露払い。


以下ちょっとネタバレなので、未読の方は飛ばして。
後半、クリストファーが、シータ人とか言い始めたときはどうしようかと思いましたよ(笑)
彼が語る神と聖書の真実。ヨブ記などに代表される、意味不明の記述はすべてシータ人のせい。
フリーメーソンも、ブラヴァツキーも、フロイトも、サイエントロジーも、『かもめのジョナサン*3も、『スターウォーズ*4も、すべてが神との戦い備えられたもの。
これで本投げた人多いんじゃないかなぁ(笑)。ムー感染性中二病メガテン症候群に罹っている俺様大喜び。
まぁ、アメリカでこのネタはかなりすごいと思うけどね。
この作者、どこまで行くのかと思ってるうちに、『幻魔大戦*5みたいなことになって、つづく!