2011年1月号

S-Fマガジン 2011年 01月号 [雑誌]

S-Fマガジン 2011年 01月号 [雑誌]

今月の特集はなし。最近では特集なしは珍しいかな?
それにしても、1年早いな〜。


翻訳は、3本。
・「ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル」……テッド・チャン
発達したAIはどこまで人間に近づけるのか?
意外にあらすじ書きにくい。とりあえず、チャン最長作品(今のところ)。
知能ある愛玩物を創造するという点では、ちょっと「手の上の友人」*1と似た印象。ただ、ロボットの国の住人としては、こちらの方が理解しやすいかも。
AIが人間に近づくと聞くと、シンギュラリティもののイメージがあるけど、解説にあるようにチャンはそれを信じていないので、まさに神同様のシンギュラリティというショートカットを使わずに、進化と学習を描いていく。でも、やっぱりシンギュラリティものの一種かなぁ。
自我や愛情が、人間のそれと見分けがつかないのなら、その存在は認めるべきだよね。


・「ぼくたちのビザンティウム」 ……アラン・デニー
ある日、ビザンティン軍に占領された町。
愛する女性は町を出ている時で、自分も何とかしようとするが……
SFマガジン2回目の登場。
前の作品も捉えどころがなかったけど、これもなかなか。
最初はビザンティン軍が突然の侵略者でしかないんだけど、それが徐々に、マジックリアリズム的に愛する女性、ひいては「きみ」という人称さえも区別がつかなくなっていく。


・「この土地のもの」 ……ティム・プラット
小さな町にやってきた黒人青年。
ある種の魔法が使えるらしく、誰とでも仲良くなれる。
しかし、その町には不穏な気配があり……
ティム・プラットは好きなんだけど、これは特筆することもなく普通かなぁ。
どっかで読んだことがある感じ。『アナンシの息子』?


大森望の新SF観光局」は、お休み。


堺三保アメリカン・ゴシップ」は、アメコミのデジタル化。


「デッド・フューチャーReMix」は、インプラントはおまけだったんだっけ?


「SF挿絵画家の系譜」は、岩田浩昌。


「サイバーカルチャートレンド」は、互換


「サはサイエンスのサ」は、知性ってなんだろう(その2)
またいいところで次回に続く


「センス・オブ・リアリティ」は、
金子隆一は、この宇宙の全ては二次元? 三十数年ぶりに感じるこの奈落感!
香山リカは、お休み?


「乱視読者の小説千一夜」新連載
第1回はボーモント。


「黄昏の薄明かりの向こうへ」第5回
三丁目の夕日』まで遡らなくても、
ぼくの夏休み』とか恋愛シュミレーションとか、日本人のファンタジーはホントにすぐそこ。


「MAGAZINE REVIEW」は〈アシモフ〉誌
"The Other Grace"アリス・ソラ・キム
"The Lovely Ugly"キャロル・エムシュウィラー
"For Want of a Nail"メアリー・ロビネット・コワル
が面白そうだった。


「[新版]世界SF全集を編む」第5回
『ドリフトグラス』って「未来の文学」?


来月は、日本作家特集!