2014年11月号
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2014/09/25
- メディア: 雑誌
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ウィリアム・ギブスン『ニューロマンサー』の刊行から今年で30年。
翻訳は3本。
できれば「クローム襲撃」あたりの再掲も欲しかったなぁ。
「パパの楽園」 ……ウォルター・ジョン・ウイリアムズ
ファンタジックな世界に暮らす少年と、その家族。
しかし、そこには秘密が……
ウォルター・ジョン・ウイリアムズとは、ホントにお久しぶりだなぁ。
おとぎ話のような世界とは裏腹に、その真実はエゴの押し付けによって構築されたもの、という、なんとも苦い後味の作品。
主人公を含めあらゆるものが変革しながらも、父だけは(悪い意味で)変わらず、業が深い。
「水」 ……ラメズ・ナム
脳内インプラントを入れている近未来。
高額な製品は広告が出ないが、ほとんどが五感に訴える広告が出る無料タイプのインプラント。
高給取りの男が、知り合いの女性を、広告圧力を高めて落とそうとするが……
サイバーパンクらしからぬ題名が、非常に強いサイバーガジェットになっていて、それだけでよく出来たSF.
今回掲載された作品では、個人的にはこれが一番、現在のサイバーパンクという印象。
ただし、30年前と違うのは、出てくる横文字や何をやっているのかがわかるんだよねw
これから世界の変革が始まるかもしれないし、描かれてない作品世界の周囲も想像でき、なかなか深みのある短篇。
「戦争3.01」 ……キース・ブルック
第三次世界大戦は始まった瞬間に終わった。
イスラム圏某国がネットワークを瞬時に掌握したのだ。
人々は脳内に流れてくる情報に打ちのめされるが……
ISISの存在する現在では、なんとも空恐ろしいストーリー。
しかし、主人公のように真実に気づいたら、それはそれで本当に戦争が始まっちゃうような……
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