2014年6月号

今月の特集は、ジュヴナイルSF再評価


翻訳は1本。
「釘がないので」……メアリ・ロビネット・コワル
『ミス・エルズワースと不機嫌な隣人』*1の作者によるヒューゴー賞受賞作
世代船で旅を続ける一族。
その全記録を管理しているAIのコーデリアが故障してしまう。
責任者のラヴァはなんとか修理しようとするが、そのさなかに秘密が明らかに……
AIがヴィクトリアンな女性のホログラフ、というのが作者の趣味だけでなくw、ちゃんと物語に意味がある。
未来で変化した常識は、現在の人間からするとタブーに近いんだけど、それを破るほうが彼らには非常識。
しかし、AIであるコーデリアが人間的な反応を見せる。
彼女が触媒となり、彼らの未来と我々が共有できる悲しみが炙りだされ、じんわりとした読後感を残す。


「SF COMIC SHORT-SHORT」第6回
カサハラテツロー
『ザッドランナー』番外編!


「タイム・スリップSFM」第26回
1977年6月号。


大森望の新SF観光局」第39回
サンフランシスコ旅行の話。
このタイミングで、日本SF作家クラブの話題から始まっているのがなんとも…


堺三保アメリカン・ゴシップ」第56回
今、穴場のロケ地と言えば?


「サイバーカルチャートレンド」第53回
PCが持ち運べるようになって、仕事はどうなる?


「精神の中の物語」第6回
STAP細胞騒動その2


「サはサイエンスのサ」第228回
シンギュラリティはくるか
現在、三度目のAIブームなんだとか


「乱視読者の小説千一夜」第38回
ステイブルフォードとモーリス・ルナール


「SFのある文学誌」第30回
内地雑居をめぐる未来小説たち その2


「近代日本奇想小説史[大正・昭和篇]」第11回
大正初期、種々の奇想小説


「MAGAZINE REVIEW」は〈F&SF〉誌
"Hhasalin"スーザン・パルウィック
"The Game Room"K・J・カブサ
"Success"マイクル・ブラムライン
が面白そう。


「エンタメSF・ファンタジイの構造」第3回
森見登美彦ペンギン・ハイウェイ


現代日本演劇のSF的諸相」第3回
イキウメ――SF演劇の可能性
これはちょっとそそられる。


「人間廃業宣言」
インドネシアの監督、ジョコ・アンワル。


来月の特集は、「700号記念」!