DR. FUTURITY

未来医師 (創元SF文庫)

未来医師 (創元SF文庫)

『未来医師』フィリップ・K・ディック〈創元SF文庫696-19〉

21世紀に暮らす有能な医師パーソンズは、突如として25世紀の北米へ時間移行した。そこでは人種の混交が進み、全員が混合言語を話し、複数の部族に分かれて生活している。しかもH戦争以後のこの時代、人類の平均年齢は15歳となり、さらに治療行為が重大な罪とされていた。この悪夢的社会を改変しようとする一派がいた。パーソンズは彼らの活動に巻き込まれたのだ。彼はさらに幾度もの時間航行に連れ出され、重要な役割を果たすことに。著者の初期長編、時間SFの秀作を本邦初訳で贈る。

恥ずかしながら、ディック長編は2冊しか読んでおりません。
『ティモシー・アーチャーの転生』*1は全くダメで、『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?*2はわかっちゃいるけど、映画のヴィジュアルが先にあってゴメンナサイ、という体たらく。
そんなわけで、これがPKD基準だとしたら、別に他のは読まなくてもいいなぁ。……まぁ、これだけ邦訳に恵まれている作家が、今になって初訳というところを鑑みるべきなんだろうね(笑)
いわゆるディック的ということもなく、平均以下のタイムトラベルSFという感想しかないなぁ。全てが因果律の輪でもないし、主人公が選ばれた理由もなんかイマイチ。
幻の作品は、幻のままにしておいた方がいいという好例。