THE DRIVE-IN

モンスター・ドライヴイン (創元SF文庫)

モンスター・ドライヴイン (創元SF文庫)

『モンスター・ドライヴイン』ジョー・R・ランズデール〈創元SF文庫717-01〉
これ、翻訳が出たのは21世紀だけど、予定は30年前くらい前からアナウンスされてなかったっけ?
またもや、伝説(幻)にうまいものなしのパターンか!?

このケチくさい町からおさらばする前に、みんなと一緒にドライヴイン・シアターで映画を観たいな。金曜の夜に……。家具工場をクビになったウィラードに声をかけられ、ぼくたちはスナックとビールをしこたま買いこんで《オービット》に集まった。いつもの週未、いつものB級ホラー映画、そして、いつもの大騒ぎ。だが突然、血の色の光を放つ怪彗星が上空に現れて、《オービット》は闇に閉ざされ、外界から隔絶されてしまった! 娯楽の殿堂から一転、生き残りを賭けた凄絶な戦場と化すドライヴイン。ぼくたちはここから脱出できるのか? 異才ランズデールの名を馳せしめた、伝説の奇想天外スラプスティック青春ホラーSF!

ランズデールが『霧』*1を書くと、こんな感じになりますか。
傑作とは言い難いけど、これは好みだなぁ。
ランズデールの青春(ボンクラ)小説は、真面目だかふざけてるんだかわかんだいんだよね(笑)。ジョックにぼこられて、昼のTV映画劇場でC級SFを見るのはお約束。個人的には、牧師のネクタイに涙。
極限状態の描写は薄いし、ポップコーンキングになっちゃう理由も冒頭とつながりが薄いし、そもそも異空間になっちゃう理由も……そんなことはどうでもいいんですよ。主人公が幻視するように、全てが異星のエド・ウッドの低予算映画企画だとしたら、そういう薄さと辻褄のなさもまた味(笑)


ただ、アメリカの青春ものにつきものの、プロム同様にイメージできるけどいまいちピンと来ないのが、このドライヴイン・シアター。これって、盛んに上映されていて、今もやってるの? 巨大な6面スクリーンってどんなの?


おそらく、内容ともどもグラインドハウス方式を意識しているんだろうから、続編も出してくれないと、途中退場になっちゃうよ。