PRIDE AND PREJUDICE

高慢と偏見〔新装版〕 (河出文庫)

高慢と偏見〔新装版〕 (河出文庫)

高慢と偏見ジェーン・オースティン河出文庫
予習のために着手したんだけど、ロマンスの定番は読みたかったのでいい機会。

18世紀イギリス。田舎町ロンボーンで暮らすベネット家。近所に独身の資産家ビングリーがやって来る。ベネット夫人は娘たちを引き合わせようと、早速舞踏会の約束をとりつける。長女のジェーンとビングリーはお互い好印象のようだが、ビングリーの親友であるダーシーの気むずかしく、高慢な態度に次女のエリザベスは反感を抱く。親密になるジェーンとビングリーだが、突然ロンドンに帰ってしまう。ダーシーが二人の仲を引き裂こうとしていると知ったエリザベスは激怒する。しばらくして、そんなダーシーから求婚されるが……

200年前の話で、退屈なんだろうけど頑張って読むか〜、と思ってたんだけど、うがったり、斜に構えることなく、普通に小説として面白いですよ。
サマセット・モームの「大した事件が起こるわけでもないのに、ページをめくる手が止まらなくなる」という評はまさしくその通りで、最初こそは未知のジャンルに慣れずに手こずったんだけど、中盤からは一気読み。


ジャンルものの名作を読むと、まさしく「スタージョンの法則」だよなぁ。ロマンス全般がつまらないんじゃなくて、始まって20ページで欲情して、その後もやりっ放しなのは、やはり小説として体を成していないのが改めてわかった。


内容的には、まさにベタ以外の何ものでもない恋愛もの、というか今だとラブコメに近いかも。
エリザベスとダーシーの互いの「高慢と偏見」を解いていくことが軸となり、横軸として、色々と騒動は起きて、ちゃんと次の展開へのフックになってるんだよね。また、皮肉とユーモアに彩られたキャラクターは、かなり立っており、それぞれの言動だけでも牽引力を持っている。ベネット夫人の俗物っぷりとリディアのビッチっぷりは最高。個人的にはジョージアナ萌えですが、何か?
物語は普遍的で、トメ、コトメ、DQN、クレクレ、虚言、ロミオメール(?)と揃ってるんだから、2ch語訳版を出せばいいのになぁ(笑)
当時の風俗はわからないんだけど、しょっちゅうパーティやら旅行して、何週間も滞在していたものなの? あと、エリザベスは今見ても現代的だけど、当時はどう読まれてたんだろ?


ホント、こういう機会でなければ手に取ることなかったので、いい読書経験でした。
未読で、アレを読もうとしているのなら、是非オススメ。