2006年7月号

今月は『太陽系探査SF特集』


翻訳作品は4本。
『青き深淵へ』……ジェフリー・A・ランディス
 天王星の生命探査クルーに選ばれたリーア。
 しかし、彼女のパートナーにはある目的が……
 程良く短篇にまとまってるけど、ちょっと物足りないかな。
・『暗黒の中の見知らぬ他人』……サラ・ゼッテル
 初の小惑星帯有人探査。しかし、その船は事故で地球への帰還が不可能になった。
 クルーの中には自殺するものも。
 そんな中、謎の通信が入る。
 確かにそれに従えば、地球に帰れる可能性はあるのだが、
 はたしてエイリアンからの通信なのか、それとも乗組員の誰かが……
 う〜ん。なんか、惜しい。
 本当に帰れるのか? 通信の正体は?
 主人公の不安は?
 とサスペンス要素山盛りなんだけどなぁ。
 なんかもったいない。
・『ロキ』……ラリイ・ニーヴン
 水生生物クローラーたちは、空から降ってきたウィッチ・ワゴンによって、
 文明を発達させていく。
 ラストが感動的。
 太陽系じゃないけど。
・『ワイオミング生まれの宇宙飛行士(前篇)』……アダム=トロイ・カストロ&ジェリイ・オルション
 宇宙人そっくりの姿で生まれた普通の少年、アレグザンダー。
 彼が宇宙飛行士を目指す様が、親友によって語られていく。
 おおおおおっ!?
 所々にタブロイド誌の見出しが挟まれていたりして、てっきり色モノかと思いきや、
 これはかなりいいですよ。
 まだ前編だからわからないけど、今年の読者賞に入りそうな予感。


「乱視読者のSF短篇講座」新連載
第1回はウェルズの「ザ・スター」


「デッド・フューチャーReMix」は、ドラキュラと「宇宙戦争」と19世紀の血液の知識。
前回までのネモ船長も面白かったけど、今回も引き込まれます。


「SF挿絵画家の系譜」は、谷俊彦


「サはサイエンスのサ」は脳ブーム


「SF BOOK SCENE」は復古出版。


「MAGAZINE REVIEW」は〈アナログ〉誌
"Sun of Suns"カール・シューローダー
"Audubon in Atlantis"ハリイ・タートルダヴ
"Written in Plaster"ジュナー・ヴァジュラ
が面白そうだった。


世界SF情報には、
ハーラン・エリスンが自分の名前を商標登録したそうです。