『シンポジウム「萌えてはいけない。」』

秋葉原デジタルハリウッド大学院まで、
『シンポジウム「萌えてはいけない。」』に行って来ました。


参加者は、いしかわじゅん大月隆寛夏目房之介岡田斗司夫笹峰あい
といつもの夜話の面子に加えて、スペシャルゲストで富野由悠季


お題は「萌え」なんだけど、それよりは現代漫画文化概論、て感じだったかな。
マンガ夜話番外編というか、裏夜話。
放送だったらカットされてしまうような単語が連発! オタク=土人とか。
俺もオタク=キチガイだと思ってるけど。


先日の唐沢俊一トークショーのときもだけど、SF論争の話は、必ず出てくるのね。
オタクは差別されているのを自覚して、なおかつどんどん差別される方向に自ら追い込んでいく種族だから、
自分たちも「○○はSFなのか、否か」って区別は好きだよねぇ。俺もそうだけど(笑)
で、結局SFブームそのものは衰退したけど、現在、あらゆる場所にその要素を拡散させて生き残っている。
だから、今の「萌え」ブームも、このSFブームと一緒で、トピックとなってるだけで、
この先、「萌え」という言葉はなくなっても、漫画(アニメ、ゲーム)の当たり前の一要素に過ぎなくなるだろう、
と言う風に解釈して聞いてました(違うか?)


センス・オブ・ワンダーも萌えも、形のあるものではなく、受け手が勝手に感じるかどうかで、
元々は作者側にその意識はなかったんだけど、
「萌え」の場合は、現在、それが形を持っちゃったってところかな。イドの怪物みたいなものですわ。
まぁ、思想みたいなもので、廃れることはあっても、なくなっちゃうことはないんだろうねぇ。
別に排除する必要もないし。ジャンル化した「萌え」は嫌いだけど。


夏目房之介の『あずまんが大王』の分析が非常に面白かった。
な〜るほどねぇ、と感心してしまいましたわ。


先日、物議を醸しだした野村総研のオタク分析の方も来てました。
あの分析自体は、本当に馬鹿馬鹿しいものだと思ってるんだけど、
それ以上に、説明している方があまりにも可哀想で見てられませんでした。
200人ばかしの冷たい視線を一身に受けるなんて、滅多にできない体験だろうなぁ。


で、冨野由悠季。
ガンダムとかそんなに興味ないんで、思い入れはなかったんだけど、確かに魅力はある方でした。
生で見ると、数々の伝説が本当だったのだと実感(笑)
それとは別にして、本当に現場と観客のことを真剣に考えられていると言うことも、感じられました。
うる星やつら』の出現は、アニメ界に激震を走らせたのね。


あとは、インフラ整備やら、国家の産業への介入やら、そんな感じ。
各々のスタンスが違うことが如実にわかって、興味深かった。
非常に濃い内容だったんだけど、メモ取ってなかったからなぁ。
取ってても、内容があちこちに飛ぶから支離滅裂だっだろうけど。


そうそう。海外進出の話でよく思うんだけど、
輸出するだけで、向こうの漫画も紹介していく土壌も作っていかないと、
なんの交流も起きなくて、単なるエコノミックアニマルの文化侵略に過ぎなくなっちゃうと思うんだけど、
どうなんでしょ?