THE TIME TRAVELERS'S WIFE
- 作者: オードリーニッフェネガー,羽田詩津子
- 出版社/メーカー: 武田ランダムハウスジャパン
- 発売日: 2004/12/08
- メディア: 単行本
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ヘンリーはタイムトラベラー。
しかし、いつ、どこに、どれくらいの長さで跳ぶか分からず、しかも常に全裸。
彼が36歳の時に、6歳のクレアと出会う。
それからクレアは成長し、何度も、様々な年齢のヘンリーと一緒に過ごす。
彼女が18歳の時にヘンリーの訪問は終わりを告げ、
その2年後、28歳の彼と再会。
しかし、今の彼はまだ彼女のことを知らない。
今まで出会ってきた大人っぽいヘンリーと現在のヘンリーにギャップを感じながらも、
愛を育み、ついに二人は結婚。
そして、36歳になったヘンリーはタイムトラベルし、6歳のクレアと出会う……
タイムトラベルものと恋愛ものは相性がいい。
二人の愛の間にそびえ立つ壁が、時間という乗り越え難いものと被せることができるからかな。
この作品が面白いのは、様々な年齢のヘンリーと様々な年齢のクレアが出会うところ。
クレアにとっては過去にヘンリーと経験したことでも、
現在のヘンリーにはまだ解らず、その時が来て、初めて、二人の思い出が共有できる。
最初はなんのことを言っているのかわからないが、話が進み、タイムトラベルするに連れて、
パズルのピースのように、時間が組上がっていくのはなかなか見事。
クレアとの記憶の補完、協力し合う時間軸の違うヘンリー、
妊娠の努力、どうやってタイムトラベル後の危機を乗り越えるのか、
という動的な展開なだけに、ラストの方はかなりの衝撃としんみり……
彼にだけは時間は平等に与えられず、
タイムトラベルのため誰よりも時間の大切さを知るヘンリー。
過去、現在、未来、常にヘンリーを待ち続けるクレア。
時間が止まって欲しいと切に願う二人ラブストーリー。
『バタフライ・エフェクト』が未来を変えられるが故の混沌なら、
こちらは予定調和を知っているが故の静寂ってところ。
厚めの2冊だけど、一気に読んでしまう。
オススメ。
ところで、未来を変えることができないのが大前提なんだけど、
ちょっと変わったような場面があるけど、あれは違うのかな?
読んだ人がいましたら、内密に語りましょう(笑)