読書感想書籍編。

今年の読了本。
自転車通勤を言い訳にしちゃいけないけど、相変わらず読んでないなぁ。

・『遺伝子の使命』(創元SF)……ロイス・マクマスター・ビジョルド
・『不思議のひと触れ』(河出書房新社)……シオドア・スタージョン
・『廃墟の歌声』(晶文社)……ジェラルド・カーシュ
・『あなたの人生の物語』(ハヤカワSF)……テッド・チャン
・『ふたりジャネット』(河出書房新社 奇想コレクション)……テリー・ビッスン
・『スペシャリストの帽子』(ハヤカワFT)……ケリー・リンク
・『しあわせの理由』(ハヤカワSF)……グレッグ・イーガン
・『コレクター蒐集』(東京創元社)……ティボール・フィッシャー
・『魔法の眼鏡』(ハヤカワFT)……ジェイムズ・P・ブレイロック
・『ネバーウェア』(インターブックス)……ニール・ゲイマン
・『幻獣標本博物記』(パロル舎)……江本創
・『フェッセンデンの宇宙』(河出書房新社)……エドモント・ハミルトン
・『ある愛書狂の告白』(晶文社)……ジョン・バクスター
・『奇術師』(ハヤカワFT)……クリストファー・プリースト
・『閉じた本』(東京創元社)……ギルバート・アデア
・『運命の双子』(角川書店)……ダリン・ストラウス
・『鎮魂歌』(ハヤカワFT)……グレアム・ジョイス
・『ヨット・クラブ』(晶文社)……デイヴィッド・イーリイ
・『歌うダイアモンド』(晶文社)……ヘレン・マクロイ
・『未来少女アリス』(ハヤカワFT)……ジェフ・ヌーン
・『魔法使いとリリス』(ハヤカワFT)……シャロン・シン
・『塵クジラの海』(ハヤカワFT)……ブルース・スターリング
・『天使と悪魔』(角川書店)……ダン・ブラウン
・『ダ・ヴィンチ・コード』(角川書店)……ダン・ブラウン
・『ブックライフ自由自在』(太田出版)…… 荒俣 宏
・『ダンテ・クラブ』(新潮社)……マシュー・パール
・『文学刑事サーズデイ・ネクスト2 さらば、大鴉』(ソニーマガジンズ)……ジャスパー・フォード
・『古書修復の愉しみ』(白水社)……アニー・トレメル・ウィルコック
・『わたしがアリスを殺した理由』(扶桑社ミステリー)……A・M・ホームズ
・『独房の修道女』(扶桑社ミステリー)……ポール・L・ムーアクラフト
・『くらやみの速さはどれくらい』(早川書房)……エリザベス・ムーン
・『願い星、叶い星』(河出書房新社 奇想コレクション)……アルフレッド・ベスター
・『ねじとねじ回し』(早川書房)……ヴィトルト・リプチンスキ
・『すべてのまぼろしはキンタナ・ローの海に消えた』(ハヤカワFT)……ジェイムズ・ティプトリー・Jr.
・『悪魔に魅入られた本の城』(晶文社)……オリヴィエーロ・ディリベルト
・『珈琲相場師』(ハヤカワHM)……デイヴィッド・リス
・『ニューオリンズの白ブタ吸血鬼』(アンドリュープレス)……アンドリュー・フォックス
・『FABLES -LEGEND IN EXILE-』(Vertigo)……Bill Willingham /Lan Medina
・『The Wolves in the Walls』(Harpercollins ChildrensBooks)……Neil Gaiman&Dave McKean
・『Truth: Red, White & Black』(MARVEL)……Robert Morales/Kyle Baker

今年の傾向は、まず出版の方から言うと、奇想コレクションも、未来の文学も、プラチナファンタジーも順調に出て、近年になく豊作だったのでは。


奇想コレクションとプラチナファンタジーのおかげで、わりとSF者っぽい読書記録に(笑)
ただ、去年からの流れで、やはり短篇集が多い。
ここでは、なるべく1冊で語りたいんだけど、ちょろっと短篇を書くと、スタージョンの『不思議のひと触れ』と『孤独の円盤』はやはりよかったし、カーシュのカームジンシリーズ、ビッスンのウィルスン・ウーシリーズはおかしかったし、チャンの『地獄とは神の不在なり』『あなたの人生の物語』は何度読んでも強烈。
スペシャリストの帽子』はなんともカテゴライズが出来ない短篇集。
こういう作品の受け皿としてプラチナファンタジーは続けていって欲しい。


プラチナファンタジーの中では久々のプリースト『奇術師』が一番。
いまだによく分かんないけど。
で、実は『魔法使いとリリス』がかなり好き。
本当に普通のファンタジーなんだけど、ちゃんとした伝統的なファンタジー世界で、かなり心に残った。


ファンタジーと言えば、遅まきながら読んだ『ネバーウェア』は、噂に違わず傑作。
カラバス侯爵最高。
オタクが読むと、やはりオタクからは足が洗えないって読めちゃうけど(笑)
そのダメオタクが主人公の『ニューオリンズの白ブタ吸血鬼』は今年の当たりの一冊。
痛々しすぎる。


『ある愛書狂の告白』は本オタクなら、痛みを覚えるエピソード満載。
最近、結構、書痴ものが多く出るようになった気がする。
『古書修復の愉しみ』も非常に興味深く読めた。


本そのものをテーマに遊びまくっているのが、『文学刑事サーズデイ・ネクスト2 さらば、大鴉』。
待ってました第2巻!
1巻からパワーダウンするどころか、ますます激しく悪ノリ!


もう一冊待っていたのが『珈琲相場師』。
これも本当に面白かった。
歴史ミステリでは、最高の満足度。


で、今年はその歴史ミステリ翻訳新元年かも。
今年の翻訳物の顔は『ダ・ヴィンチ・コード』でしょう。
ヒットのお陰で、この手の歴史ミステリがかなり訳されるようになっている。
ファンタジー並に訳されていって欲しいなぁ。
面白ければ、ハードカバーでも買うし。
個人的には、『ダ・ヴィンチ・コード』より『天使と悪魔』の方が面白かったけど。


さて、今年のベスト1は……
ダカダガダカダカダカダカ……ザン!
文学刑事サーズデイ・ネクスト2 さらば、大鴉』!!!
……と言いたいところだけど、それだと去年と同じなので、SFから『くらやみの速さはどれくらい』!!!
正直言って、SFか? と問われると、いまだにはっきりと首を振れないんだけど、非常によく考えさせられ、感じさせてくれる小説。
これを読めたことは幸せだと思う。
様々な人にオススメ。