The LEGO Batman Movie


『レゴバットマン ザ・ムービー』鑑賞


ブロック玩具の「レゴ」を題材に描いた大ヒット3Dアニメ「LEGO(R) ムービー」に登場したバットマンを主人公に描くアドベンチャーアニメ。寂しがり屋のくせに強がる面倒くさいヒーロー、バットマン。そんな彼のもとに、バットマンに憧れるロビンこと少年ディックがやってくる。ロビンのせいでペースを乱されるバットマンだったが、さらにそこへ、宿敵ジョーカーが宇宙に閉じ込められていた悪者たちを脱走させ、ゴッサムシティを混乱に陥れる事態が発生。街のピンチを救うため、凸凹コンビのバットマン&ロビンは立ち上がるのだが……。前作「レゴ(R) ムービー」に引き続きウィル・アーネットバットマンの声優を務め、宿敵ジョーカー役はザック・ガリフィアナキス、相棒ロビン役はマイケル・セラ、バッドガール役はロザリオ・ドーソン、執事アルフレッド役はレイフ・ファインズがそれぞれ担当。前作でアニメーション共同監督を務めたクリス・マッケイが監督。

LEGO ムービー』*1に登場したバットマンを主役にした続編。


吹替と字幕で2回鑑賞。
まず言っておかねばならないのが、公開前は怨嗟と不安の声しかなかった小島よしお=ロビンですが、これが悪くないよ。知らなければ気づかないんじゃないかなぁ。さりげなく、当然持ちネタはぶっこんでくるけど。


LEGO映画」としては狂気を感じるw前作には及ばない。煙や水はLEGOではなくエフェクト。
ただ、パロにしてメタだからこそ、核心を突いており、バットマン映画としては最高傑作。
アプローチは『フロム・ヘル*2に近い。
登場してから80年近く、様々なメディアに登場したバットマンが、すべて同一人物というメタな設定がコメディになっていると同時に、永遠の孤独と永遠の戦いという、バットマンアイデンティティ及び、ジョーカーとの関係性を描ききってしまった。


まずは、バットマンのぼっちのクソ野郎っぷりを堪能w
LEGOワールド屈指の大豪邸に住みながら、常にひとりぼっち。アルフレッドにさえ心は開かず、黒い衣装と悪態とラップは完全に中二。
『JLA:バベルの塔*3であんなことしてるんだから、そりゃ呼ばれないよw
ただ、その端々で、彼の本音がLEGOだから許される表現で表される。


そして、何と言ってもジョーカーとの永遠に決着のつかない闘い。。
映画作品はいくつもあるけど、ジョーカーとの関係をここまではっきりと描けている作品はない。
コミックでは『キリング・ジョーク*4や『ジョーカー:喪われた絆』*5などの傑作があるけど、バイオレンスとグロテスクに彩られたコミックに比べ、こどもでもわかるギャグにしながら、その本質を描いているのは見事としか言いようがない。
冒頭で、バットマンにつれなくされたジョーカーほど悲しそうな顔を見るのは、『チーム・アメリカ*6の「I'm So Ronery」ぶりw


バットマンが人としてヒーローとして成長するのを助けるのがアルフレッド、ロビン、バーバラのバットファミリーとゴッサムチーム。
そして、ジョーカーが自身を認めさせるために利用するのが、過去の超悪役たち。それも、『タイタンの戦い*7のクラーケン、〈ハリー・ポッター*8のヴォルデモート、〈ロード・オブ・ザ・リング*9サウロン、『グレムリン*10のストライプたち、〈マトリクス〉*11エージェント・スミスなどなど……。


なんでもアリの悪者軍団から推測するに、前作同様、上位存在wのごっこ遊びなんだよね。
レーザーや銃声が人の声だし。


LEGOっぽさは前作に劣るとは書いたけど、ラストで、仲間を信用し、協力して一つになる、というバットマンの成長を、LEGOならではの表現で描写するのはズルいw
LEGOの頭になんか乗っけるって、必ずやるでしょ?
ここも『キリング・ジョーク』ラストの橋のジョークを想起させる。


LEGO ムービー』シリーズが他の映画と一番違うところは、映画館を出て、おもちゃ売り場に行けば、原寸大(?)のプロップを再現できることなんだよね。
ハーレイ好きだから言うわけじゃないけど、ハーレイがとにかく可愛いい! 中盤出ててくるチュチュ姿が最高すぎる。ラストのアルフレッドのバットバトラーともども、夏に出る模様。
エッグヘッドマシンも商品化して欲しいなぁ。