Pan


『PAN ネバーランド、夢のはじまり』鑑賞


永遠の少年ピーターパンの誕生秘話を描くファンタジーエンタテインメント。ロンドンの孤児院に暮らす少年ピーターが母親を探すためにネバーランドに旅立ち、若き日のフック船長やタイガー・リリーといった仲間たちとの出会いや、ネバーランドを牛耳る海賊・黒ひげとの戦いを経験していく姿を、ファンタジックな映像美とともに描く。「プライドと偏見」「つぐない」などで高い評価を受けてきたイギリスのジョー・ライト監督がメガホンをとり、黒ひげ役でヒュー・ジャックマンが出演。若き日のフック船長役には「トロン:レガシー」のギャレット・ヘドランド、タイガー・リリー役に「ドラゴン・タトゥーの女」「her 世界でひとつの彼女」のルーニー・マーラ。少年ピーターは新人のリーバイ・ミラーが演じた。

『アリス』*1、『白雪姫』*2、『オズ』*3とハズレだらけの童話異聞シリーズにまた追加(『マレフィセント*4はけっこう好き)


映画版『オズの魔法使*5でさえ、80年近く前の作品で、その歳月を耐えてきた完成度は強固で、前日譚・後日譚は蛇足以外の何物でもないんだよね。
今作においては、前日譚にさえなってないと思う。
ドラマ『GOTHAM』*6の上手いところは、ゴッサムがフリークスのディズニーランドになる前の
単なる犯罪都市の物語にもかかわらず、後のヴィランたちの萌芽があり、それがバットマンファンへのくすぐりになってると同時に、ちゃんと物語に組み込まれてるんだよね。


ところが、今作は後の『ピーター・パン』との連続性が感じられない。
フックと実は仲間だったのはいいとして、なんで敵対するのか全くわからない。せめて、片手をワニに食べられちゃう描写くらい必要だったと思うんだけど。


また、フィクションラインがどう引かれているのかもあやふや。
なぜ、ネバーランドからこちらに自在にこられるのか?
孤児院と黒ひげの関係性は? あの意地悪な修道女も『ピーター・パン』に出てくるキャラ、とかしてくれないと。
ロンドン防衛基地のスタッフが全員女性なのは事実? フィクション?


そもそも、ピーターが実はネバーランドの王子で、悪と戦う秘められた力を持ってる、という設定の段階で凡百なファンタジーに成り下がってる。
これで面白いはずがない。


どうせ、ここまで改悪しちゃうなら、『ピーター・パン』のキャラクター全員が、もともとは現実世界の住人で、こちら側で冒険した挙句、ネバーランドに行っちゃうほうが良かったのに。
ネバーランドは不老不死の世界で、延々と同じことを繰り返してる地獄めぐりとかw