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ゾンビ・ハンター アシュリー・パーカー (竹書房文庫)

ゾンビ・ハンター アシュリー・パーカー (竹書房文庫)

新種のウィルス〈ウォーカー風邪〉が蔓延する町、ビッグ・レッド。患者が凶暴化し、人を襲っているという不穏な噂が広がるなか、夜の森で恋人のマットとデートを楽しんでいた大学生のアシュリーをとんでもない事態が襲う。かつて人間だったはずの遺体が歩き出し、彼女たちの肉を食らおうと向かってきたのだ。パニックに陥るマットをよそに必死で血路を開くアシュリーだったが、ついには生きる屍〈ゾンビ〉に噛まれてしまう。意識を取り戻した彼女の目の前に現れたのは、ゾンビウィルスの権威であるフレイザ一教授だった。教授は、アシュリーがゾンビに噛まれても生き残り、身体能力を強化された〈ワイルドカード〉だと告げ、ゾンビ討伐チーム〈DZN〉にスカウトする。チームのメンバーはわずか七人。しかもリーダーは、アシュリーを目の故にする、ゴージャスな青い瞳のガプリエルだった……!

ゾンビ版『バフィー 〜恋する十字架〜』*1というコンセプトで執筆された小説らしく、それ以上の説明は不要。


ゾンビ感染に対する抗体を持っているため、ゾンビ無双状態は悪くないんだけど、後は特筆すべきことはないんだよなぁ。ウォーカー風邪ってなぁ……
気になる彼が、何故かやたらと冷たい、というのも定番だし。
それを狙ってるんだろうけど、主人公(たち)以外のキャラ造形がお座なりなのが気になる。憎まれ役の将軍はすぐ退場したり、アシュリーの同居人は全く言及されなかったり。
また、エロスとタナトスで、もっとHOT展開があるのかと思いきや、それも薄い。


作者が映画業界人だから、映画ネタの表現や軽口が多いのが特徴なんだけど、一人称でそれをやられると、なんかイタイ。と言いつつ、『ワイルドカード』ネタがあったのは、個人的にはニヤリですが(笑)


ゾンビ討伐チームなんだから、もっとそれぞれの得意武器をかき分けて欲しいところ。ゾンビも、パンデミックの真相に至る段階があまりなく、もっと見た目がおかしいゾンビをプッシュすべきだと思うんだけど。
本国では、2巻も出たばかりだとか。