NO QUEST FOR THE WICKED

魔法無用のマジカルミッション (?魔法製作所) (創元推理文庫)

魔法無用のマジカルミッション (?魔法製作所) (創元推理文庫)

まさかの、第二シーズン開始!
未だに、日本オリジナル書き下ろしって事情がよくわからないけど。

(株)MSIマーケティング部長ケイティは退屈していた。魔法の悪用を企てる輩に勝利をおさめたのはいいが、競争相手のいない市場でのマーケティングなど、サルでもできる。そんなとき、魔力を失ったのを好機と、魔力をもつ者が読むと正気を失う古写本の解読にいそしんでいたオーウェンが、とんでもないことに気づいた。権力への渇望を生み出し、他者を支配する力を与える危険な石〈月の目〉が、こともあろうにニューヨークのティファニーに現れたというのだ。放っておけば、世界中が大混乱に陥ってしまう。オーウェンはケイティとともに追跡を開始する。日本オリジナル書き下ろし。大人気シリーズセカンド・シーズン開幕。

物語は前作から三ヶ月後。
イミューンとなってしまったカップルが故に騒動に巻き込まれるが、同時に彼らでなければ事態を収拾できないため、ニューヨークを駆け巡る。


回数を重ねてきたシリーズものだから今更キャラクター紹介はないし、それでいながら物語に関わるキャラクターが多いため、それぞれの魅力が出しきれているとは言えない。
また、魔法が使えなくなったオーウェンは正直、キャラクターとしての印象が薄い。
しかし、たった1日の大騒動というのは、次から次へと問題が持ち上がり、非常に推進力が強い。しかも、魔法が使えないため移動も限定され、それがより物語の密度を高めていると思う。『24 -TWENTY FOUR』じゃないけど、この1日の出来事という方が現代ニューヨークを舞台にしたドタバタファンタジーに合ってるんじゃないかなぁ。
また、いつものメンツに新味はないけど、久々登場のおばちゃんとミミという二大怪獣の存在感が圧倒的で、総合的に今までで一番賑やかだったと思う。


ずっと町を走り回っているため、魔法会社としての印象は限りなく薄く、業務の紹介は前シーズンまでで、2ndシーズンはこの方向で行くのかしら?
ケイティに新たな問題が起きたし、続刊を待ちましょ。