KISS AND SPELL

魔法使いにキスを (創元推理文庫)

魔法使いにキスを (創元推理文庫)

免疫者のはずなのに,〈月の目〉を破壊した時の衝撃でどういうわけか魔法を使えるようになったケイティ。本業のマーケティングが暇なため,同様に魔力が戻ったボーイフレンドのオーウェンに魔法の使い方を教わる毎日だ。そんなある日,ケイティはアシスタントのエルフの様子がおかしいことに気づく。〈魔法使いがエルフを抑圧している〉というビラが配られ,㈱MSIに勤めるエルフたちも動揺しているというのだ。周囲では,エルフたちが次々と姿を消しはじめる。ひそかに調査に乗り出したケイティとオーウェン。やがてふたりの身にも敵の魔の手が伸びる……。大人気シリーズ第七巻。

前巻*1ラストで、魔法が使えるようになってしまったケイティ。
ここから、ケイティ魔法使い編が始まると思いきや、突然、並行世界的なラブコメが開始される!


ケイティは書店併設のカフェに務めている。結婚を考える恋人がいるけど、最近うまく行っていない。
そこに現れた新社長オーウェンと惹かれ合い……


ブコメ的モンタージュ、というセリフが何度も出てきながら、本人たちがモンタージュ表現という別の種類の魔法の中でデートする面白さ。
常に魔法世界の命運をかけた戦いばかりで、偽りの世界で初めて普通の恋人同士が堪能できる二人。
エルフの陰謀なんて正直どうでもよく、二人を見ていたいなぁ、というのがこのシリーズのラブコメとしての上手さ。
ダンスに興じるエルフの集団は面白かったけど。


ここで一区切りっぽいけど、結婚してからの活躍も読んでいきたいなぁ。