THE INVENTION OF HUGO CABRET

ユゴーの不思議な発明

ユゴーの不思議な発明

舞台は1930年代のパリ。主人公はパリ駅の時計台に隠れ住む12歳の孤児ユゴー。彼は、父が遺したからくり人形に隠された秘密を探っていくうちに、不思議な少女イザベルに出会う。からくり人形には二人の運命をも変えていく秘密が隠されていたのだ。……からくり人形のぜんまいが動き始めるとき、眠っていた物語が動き出す!

『ヒューゴーの不思議な発明』の原作。
文庫版*1も出ているけど、半分以上が絵なので、個人的には大きい単行本版をオススメ。


さて。
映画を先に見ちゃったんで、そちらを基準とした感想になっちゃうなぁ。


物語は基本的に同じ。
非常に多く納められたイラストがいい雰囲気を醸し出している。鉛筆画のようなざらついた質感が、19世紀パリの建物や汽車の煤を感じさせてくれる。
また、この絵こそが全体的な仕掛けにもなっていて、映画版『ヒューゴーの不思議な発明』に感じた"ある"不信感を払拭してくれた。
このラストを映画用にアレンジ出来なかったのかとも思うけど、本だから可能なオチではあるんだよなぁ。


映画は根本的にテーマが変わっていて、原作ではメリエスは重要人物ではあるものの、リスペクトは特に感じられない。これはメディアの違いもあると思うけど。また「この世の全ては一つの機械で、いらないパーツはない」というテーマは映画のほうが上手く処理されている。


映画を観ていても、原作はまた違うので、一読オススメ。