アカデミー賞ショート

ブリリア ショートショートシアターで上映中の『アカデミー賞ショート』を鑑賞。
こんな劇場があったのね。全く知らなかったよ。

上映作品
『新しい友だち』New Boy
アフリカからやってきた9歳の少年ジョセフ。少年の視点から「転校生」の体験をコミカルに描きだす感動作。原作は、ロディ・ドイルの短編小説「New Boy」。


『小さなチカラ』Small Change
ホームレスの男に小銭を渡したビジネスマン。が、男はそのお返しに、「彼のために」と毎日決まってあることを始めた。何気ない施しから生まれてしまった、ホームレスとのしがらみ。それは日に日に、彼の心に重くのしかかってくる。


『グレゴールの素敵な発明』Gregor's Greatest Invention
グレゴールは大好きな祖母と二人暮らし。祖母の足は日に日に悪くなり歩くのもままならない。見かねた友人たちは彼女に老人ホームで一緒に住もうと誘う。彼女と一緒にいたい発明家のグレゴールは、祖母が水中で歩けることに気づき、あるアイデアを思いついた…。


『落としもの』The Lost Thing
少年は浜辺で不思議な形をした生き物に出会う。その生き物が迷子になっていると思った少年は、どこから生き物が来たのか、一緒に探してあげることに。しかし他の人はその生き物の存在にすら気付いていないようで…。

目当ては言わずもがなの『The Lost Thing』。
二度目だけど、やっぱりいいね。
前回はショーン・タンの絵が動いている、という興奮でいっぱいだったんだけど(笑)、改めて観て、ようやく込められたテーマを解釈できた。
彼が描く、不思議な生き物(?)たち。
この作品は、それが特に顕著。意味不明で無駄な形。しかし、ここにこそ意味がある。
彼らは無駄、余裕、遊び、またはノスタルジーの象徴なんだよね。
だからこそ少年にしか見えないし、大人や社会はそれこに重きを置かない。
しかし、少年が瓶の蓋コレクションをやめた頃、彼らの姿はめっきり減る。社会なのか、彼自信なのかはわからないけど、無駄の存在を許すことはできなくなってしまう。
それ失った世界は、なんと退屈なことか。


あとは、『新しい友だち』がひじょうによかった。
転校初日のドキドキ感、出来事が見事に画面に写し取られている。
同時に彼のつらい境遇、そこから立ち直るであろう明るい兆しが短い中に集約されている。