GRAND CENTRAL ARENA

グランド・セントラル・アリーナ (上) (ハヤカワ文庫SF)

グランド・セントラル・アリーナ (上) (ハヤカワ文庫SF)

グランド・セントラル・アリーナ (下) (ハヤカワ文庫SF)

グランド・セントラル・アリーナ (下) (ハヤカワ文庫SF)

2375年、人類初の超光速航法実験船〈聖杯〉が光速を超えた瞬間、巨大な閉鎖空間に転移していた。そこは、これまでこの銀河で超光速航法を開発した4000を超えるすべての種族が、覇権をかけて競う壮大無比の闘技場であった! 船長である美貌の女性レースパイロット、若き天才物理学者、超人ハルクのような特殊能力を秘めた動力エンジニアなど8名の地球人は、人類の命運をかけて、強大な銀河列強種族に敢然と立ち向かうが!?
人類にとってはじめての同盟者となったオーファンの導きにより、アリアンら地球人一行は、直径数十光年に及ぶスフィア群の中心にあるグランド・セントラル・アリーナに到達した。数千年に一度の“ファースト・エマージェント”であり、さらに自らのスフィアに侵攻してきた敵勢力を撃退してアリーナに大使館を得たことで、人類は異星種族の注目のまとになった。だが、順風満帆に見えたその行く手には怖るべき陥穿が……。

う〜ん。
題名とあらすじから、バキ宇宙編か天下一武道会かとワクワクしてたのに、期待と大幅に違ったなぁ。フリーザとセルは出てくんだけどね。


この種のSFを手にしといて荒唐無稽と怒るつもりはないんだけど、それが楽しめるレベルになってない。古典スペオペに明るくないから偉そうなこと言えないけど、半世紀以上前の作品からブラッシュアップされているとは思えず、バランスが悪くて、ちょいちょい引っ掛かりがあるから、それが気になって一気に突き抜けるような面白さがない。


スペオペのキモであるキャラクター描写がイマイチで、それが牽引力になってないのが大きいと思う。地球人は8人出てくるものの、ハルクのようなデュケーンと船長のアリアン以外、全く存在感がない。この二人だけでよかったんじゃないの? また、4000を超える種族が集まってる割には、その雰囲気も感じられない。異星人の仕草がやけに地球人臭いのはこの際もういいよ。
一方、21世紀のSFらしい科学技術の設定は語られるけど、アリーナの技術に関しては「十分に発達した科学技術は〜」の件が乱発されるため、ちぐはぐというか、魔法にありがたみがない(笑)期待していたアクションシーン、地球人が地位を確率るためのコンゲーム(もどき)の配分が悪いため、なんだか、スクリプトドクターが入ってないSF映画を観ている気分。SF、日本のアニメからの大量のサンプリングも効果的とは思えないし……


青背はミリSF以外は買うようにしてたんだけど、これは取捨選択を厳しくしたほうが良さそうだなぁ。