FABLES -LEGEND IN EXILE-

Fables Vol. 1: Legends in Exile

Fables Vol. 1: Legends in Exile

『FABLES -LEGEND IN EXILE-』Bill Willingham /Lan Medina(Vertigo)読了。


初めて本格的にコツコツと英語を翻訳して読んだ洋書。
たかが漫画一冊読み終わるのに、3ヶ月以上……
英語力アンダー中学生レベルじゃ、仕方ありませんな。
シドニー・シェルダンもびっくりの超訳!(笑)


さて、あらすじ。


数世紀前、魔王軍の侵攻により、人間世界へと逃げてきたおとぎの国の住人たち。
彼らはニューヨークの一画に固まって暮らしており、
コール王を頂点として、白雪姫の事務処理の手腕で、特に波乱もなく過ごしていた。


そんなある日、白雪姫の妹、紅ばらの部屋が滅茶苦茶にされている、と
豆の木ジャックが、今や改心して探偵となったウルフの元に飛び込んでくる。


彼女の部屋は荒らされ、さらに大量の血液が部屋中に飛び散っている。
しかし、彼女の姿はない。
壁には血文字で『末永く幸せには暮らせませんでしたとさ』と。
いったい誰が? そして彼女は?
ウルフと白雪姫は調査を開始する……


第1容疑者は、彼女の恋人で第1発見者の豆の木ジャック。
彼女と喧嘩しているのも目撃されている。
生まれながらのペテン師だが、暴力沙汰だけはしないと言うが……


青ひげ公。
おとぎの町の有力者。
どうやら、彼女と密かに婚約していたらしい。
これまで彼が花嫁にしてきた悪習が蘇ってしまったのだろうか……


白馬の王子。
白雪姫の元夫。今では顔がいいだけのヒモ。
紅ばらと寝ているのを目撃され、離婚の原因の一つに。
よりを戻したいのだが、まったく相手にされていない。
ヨーロッパにいたが、事件と前後して街に戻ってきた。
怪しい……


白雪姫。
白馬の王子と離婚し、今ではバリバリのキャリアウーマンとして、
おとぎの町の実質的な町長。
紅ばらとはずっと疎遠で、彼女の遊んでばかりいる生き方と相容れなかった。
事件をもみ消すだけの権力がある……


魔王の部下。
おとぎの国を侵略した魔王軍。
今まで人間界には興味がなかったようだが、もしや刺客が……


ウルフの証拠探しを軸にして、
おとぎの国の住人たちの現在の様子が語られる。
美女と野獣は? ピノキオは? 三匹のこぶたは?
コール王ってのは知らなかったんだけど、マザーグースの登場人物。
この手の作品を読むには、マザーグースは必読か。


ちなみに、外伝を見ると、ロビンフッドの仲間の坊主みたいなあまり転がしようのないキャラ(笑)は、
魔王軍との戦いで死亡している模様。


ミステリーとして、その真相はどうかな? と言う気もするけど、かなり面白かった。
……後半は、話が面白かったのか、翻訳作業が面白かったのかわからなくなっちゃったけど。
まぁ、内容が気に入ったから、はまったんだろうけどね。


それにしても、こんなに翻訳にはまるとは思わなかった。
これが中学か高校なら、もうちょい成績もよくなったかも。
英語の教科書もさぁ、ジャックがカナダに行ったとかじゃなくて、
ハリー・ポッターなりなんなりを載せた方が、やる気が起きると思うんだけどね。


言い回しやらスラングやら、さっぱりわからないことが1頁に1回は出てくる。
だから大筋は多分理解してると思うけど、会話の端々でいまだに不明なものが多数。
こういうのって、どうやって調べればいいの?
何かいい辞書を知ってたら紹介して。


それから今まで意識してなかったんだけど、アメコミって1コマ当たりの台詞が多いね。
日本の漫画は基本的に、1コマ1キャラ、もしくは1コマ1会話って感じだけど、
アメコミは1コマで会話を続けるんだよね。映画の1シーンて感じなのかも。
しかも台詞が長い。


もう一個思ったのが、
主人公ウルフは人間の姿をしているけど、元々はオオカミなので、かなり毛深い。
ウルヴァリンもそうだけど、日本の漫画だと毛深い主人公って見ないよなぁ
マッチョの国では、やはり男らしさってのは、今だ主人公の重要な要素なのね。


さて、次は『KILLING JOKE』か『League of Extraordinary Gentlemen 2』を訳すつもりだったんだけど、
前者は先日出て、後者はもしかしたらうまく行けば1年後くらいに出てるような……


ちなみに、このシリーズは続きが出てて、
今のところ単行本は3冊、エピソードは5〜6くらいまで行ってるのかな。
絵は別人なんだけどね(これも日本じゃあまり想像できないよな)。