『なるたる』最終回

 ついに最終回!
 世界は崩壊し、そして……


 うーん。『デビルマン』なのかなぁ。
 進む目的地は違うけど。


 以前、『ヴァンデミエールの翼』の時にも思ったんですけど、
 須藤真澄作品が「死」を下敷きしているのとは逆に、
 鬼頭莫宏作品はどんなに残酷でも「生」に向かっていて、
 常に「産む」ということをテーマにしていると思います。
 『なるたる』はまさにそのものズバリでしたね。


 生命だけは唯一エントロピーの輪から外れたエネルギーで、
 見子が最後に言っているのもそういうことなのかな?
 その生命だけが地球の目的であって、
 人間(シイナ)の意思なんてものは全くどうでもいいってこと?
 地球の手のひらの上でチクチクやってただけ?
 須藤たちのしたことにも意味があるのかないのか。
 と言うか、地球の意思なんて人間には理解できないんでしょうね。
 地球のためなんてのは、所詮人間の自己満足。
 そのデバイスとしてシイナと見子がいたのかな? シイナも観測者ってことですね。


 結局、よく分からない漫画だったなぁ。
 流れとか形が最後まで見えてこなかった。と言うより、最後でそれに気づきました。
 一つ一つのエピソードが物凄い濃密だったんで分からなかったんですけど、
 その点と点がつながってなくて、全体像を形作ってないんですよね。
 全てが一点に収束するのかと思いきや、振りかえると、あれってなんだったの? の連続。


 最終巻が出たら、最初から通して読も。