THRAXAS

主人公は、元捜査官、今はしがない探偵。
推理力と腕っ節だけは自身がある。大酒のみで、妻に逃げられ、いつも金がなくて喘いでいる太った中年。
相棒は、普段はウェイトレス。露出度の高い服でチップをもらい、大学で聴講し、夜はフェミニスト団体の会合に出席する、混血であることにコンプレックスを持った美女。
舞台は暑い夏の街。
麻薬が大量に出回り、ギャング団は抗争を繰り広げ、麻薬の汚染は市民だけでなく、政府上層部にも広がっている。
選挙も近いため、両党が火花を散らしている。
……ハヤカワHMじゃないよ。立派にハヤカワFT。

魔術探偵スラクサス

魔術探偵スラクサス

『魔術探偵スラクサス』マーティン・スコット(ハヤカワFT)読了。


久々にハヤカワFTを発売日に本値で買ってすぐに読んだ。
こりゃ、マッハ10ノット(?)で直球ド真ん中ストライクって感じ。
そうそう。こういうファンタジーが好みなんだよ。
ヴァルデマールみたいな完全なファンタジー世界も、ドラキュラ紀元みたいな改変世界ファンタジーも好きだけど、
現実世界とつながっていないファンタジー世界での現代社会、みたいなやつが一番ツボかも。
リアルな考証なんて糞食らえ!
雰囲気がよければそれでいいんだよ。ファンタジーなんだから。


舞台であるトゥライの下水道にはワニが住んでいる。
つまり、ニューヨークか、アメリカの大都市をファンタジーに持ってきた世界というわけ。


女戦士が鎖帷子のビキニを履いている必然性にしびれた(笑)
ずーっと、どうしたら、ああいう格好が必要か考えてきたのだ。
やられたね。リアルな考証は二の次だけど、必然性は大事だよ。垣原みたいにさ。


魔法を使うけど、主人公は魔法が苦手なため、普通に探偵。
一昔前なら、ハヤカワHMから出たかも。ファンタジーブームだからかな。
お約束だけど、マクリLOVE! ついでにハナマ萌え〜。ってところか。


シリーズが訳されたら、また本値で買っちゃうね。
一気にマイベストに踊り出た。


……表紙が沓澤龍一郎だと思って買ったことは内緒だ。