幻の12話

昨日、ようやくウルトラセブンの第12話を見た。


知ってる人は知ってるし、知らない人はまったく知らない幻の12話。
この、幻の12話、という肩書きだけが一人歩きしているのが、ウルトラセブン第12話『遊星より愛をこめて』だ。


まず、なぜ12話が欠番になっているかというと、要約すると、当時、『小学二年生』に被爆星人スペル星人という記述があって、それを子供から聞いた被爆者団体の委員が、被爆者を怪獣扱いするとは何事だ、という糾弾をしたのが始まり。
小学館が解答する前に一気にメディアに広がって、円谷は欠番にしたという顛末。


この話は結構タブーなのか、『映画宝島 怪獣学入門!』に第12話について書かれているけど、二版以降にはなぜか載っていない。
タブーがゆえに、その名前だけがネタになったりしている。
宇宙家族カールビンソン』の12話もそういうわけだな。


さて、その内容は、普通に見ていればなんとも思わないいつものウルトラセブン
この前振りを知ってい見ても、やはり被爆者を差別している内容ではない。
むしろ、恋人がスペル星人だと知っても、その思い出は決して悪いものではなく、いつか宇宙人と愛し合える日が来ると思う、と件の女性の台詞で終る、いい話だ。


放射能怪獣を訴えるなら、ゴジラをはじめ、ある年代以前のアメリカ怪獣映画は全部対象じゃない。
糾弾した側は、内容ではなく、そのネーミングだけにヒステリックに反応したのは明らか。
ちなみに、アメリカ放映時は普通に12話としてやったそうだ。