難事件鑑定人

難事件鑑定人 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

難事件鑑定人 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

『難事件鑑定人』サリー・ライト(ハヤカワHM)読了。


稀覯本微生物学、鷹狩りなどの蘊蓄を盛りこみ、知識マニアの琴線をくすぐる知性派ミステリ」
とキャプションに、かなり期待して読んだんだけど、なーんかイマイチ。
そんなに言うほど盛りこんでないんだよね。


ウンベルト・エーコみたいに、もう読むの疲れたよ、って位詰め込んでくれないと、このキャプションは嘘だ。
京極堂張りにひたすら蘊蓄語ってくれるものを期待してたんたげど、普通にミステリだわ。
いちおう、古本が話の要になるんだけど、そんなに深く出てくるわけじゃないし。
記録保管人が主人公だから、もっと濃く攻めて欲しかった。なんか、キートンを薄めた感じ。


シリーズもので、これは3作目らしい。そのため、親友を亡くした以前の事件などが台詞に出てくるけど、これはたぶん、日本の読者を煽る売り方なんだろうな(笑)
ミステリはまともに読んでるわけじゃないけど、
どうも『フーコーの振り子』みたいにみっしり蘊蓄が詰まってる奴か、『暗黒太陽の浮気娘』みたいなほとんどミステリじゃないやつが好きらしい。