THE KNOT GARDEN

装飾庭園殺人事件 (扶桑社ミステリー)

装飾庭園殺人事件 (扶桑社ミステリー)

ロンドンのホテルで、男の死体が見つかった。睡眠薬自殺と思われたが、美しい未亡人はそれを否定。遺体は高名な造園家で、いまは地方で装飾庭園を手がけているはずだった。それがなぜロンドンに? 調査をはじめた未亡人の前に次々現われる奇妙な関係者たち。見えてくる夫の知られざる顔。混迷していく真相探し……そして、全員を一堂に会して驚愕の謎解きが行なわれるとき、思いもよらぬ世界が現前する! 英国文学の旗手ジェフ・ニコルスンが巧緻の限りを尽くす、伝説のメタ・ミステリー登場。

ちょっと楽しみにしてたんだけど……


伝説のメタ・ミステリーという惹句ほど変じゃないんだよなぁ。
全編語り手の変わる一人称で、突然それまで言及されていなかったキャラが喋り始めたり、チョイ役かと思わせるキャラにもちゃんとセリフが与えられていたりするのは面白い。
また、証拠が指し示す犯人探しやラストの関係者集めなど、一人称だからこその語りによる卓袱台返しがメタといえばそうなのかも知れないけど、原著の刊行(1989)からこれまでの間に、『メメント*1、『ユージュアル・サスペクツ*2など、映画の良作が出ちゃってるので、正直驚きは薄いなぁ。