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自白の迷宮 (扶桑社ミステリー)

自白の迷宮 (扶桑社ミステリー)

『自白の迷宮』ケネス・J・ハーヴェイ〈扶桑社ミステリー ハ13-2〉読了
体内のケッチャム分が不足してきたので、似たような雰囲気の作品を手に取ってみた。

家族を殺し、さらに被害者の皮を剥ぐという連続殺人を犯した英文学教授のX。精神鑑定する医師と刑事の尋問が続く。彼はカサンドラという女性と事件を起こしたと言うが、そのような女性がいた形跡はない。さらに、連続殺人事件の自白自体が嘘なのでは? 面談が進むに連れ、現実は定かではなくなっていき……

医師との面談、刑事の尋問、Xが書く日記で物語が構成されている。
「Xは本当に殺人を犯したのか?」が焦点。でも、変態セックスと残酷描写あふれる日記には、別人とおぼしきカサンドラとの不倫旅行の様子や、真偽がわからない子供時代の思い出が挟み込まれて信用できない。さらに、取調室での医師や刑事の様子もページを追う毎におかしくなっていく。
自白の信憑性は? なぜ嘘の自白をするのか? そもそも医師や刑事さえも存在するのか?
深読み・読み解きが好きな方にはオススメかも。
個人的には不倫旅行以外は全部妄想に1票。もしくは、読者も取り込んでのメタ構造か。
ちなみに、日記はかなりエロエロです。