How to Train Your Dragon

上映館がなくなっちゃって、『ヒックとドラゴン』をギリギリで鑑賞。


ヒックが仲間として認められていく過程と、それがバイキングへの反逆行為になっている構成が巧み。また、バイキングの生き様とヒックの優しさという相反する性質を両立させたラストも、それまでが丁寧に描かれているので、不自然でなく見事。情けない息子と族長たる父という構図はありがちだけど、このお父さんがただの石頭ではなく、いい人なんだよね。ゲップも名脇役だし。


話もいいんだけど、やはり語るべきは3D。
3Dである意味はしっかりあるんだけど、その演出が自然で押し付けがましくないんだよね。
ハリーハウゼンは、ファンタジーはCGよりも人形アニメーションの方がいい、とどこかで言っていたような気がするけど、この作品は現在の技術としては理想型かも。
立体というか、ミニチュアみたいな立体物を撮っているような質感。それでいながら、ラストの巨大怪獣はCGならでは。


それにしても、欧米ってなんでドラゴンライダーものが多いんだろうね? 神話の中にはあまりそういう造形が思い浮かばないんだけど。
パーンの視界はこれだったのね、と飛ぶシーンだけで涙腺に来た。
ドラゴンライダー映画としては傑作でしょう。これが越えられないなら『テメレア戦記』*1は映画化しなくていいよ。


もっと早く行ってれば、もう一度観に行ったなぁ。
日本であまりヒットしなかったのがもったいない。
あのCMは逆に客足遠のかせたんじゃないの?(笑)
それ抜きにしても、ありがちな異種ハートウォーミングものという面ではなく、前半のDIY部分とか、それこそ原題どおりにドラゴンの飼い方みたいな宣伝の方が人目を引いた気がするんだけど。


3Dでオススメ……なんだけど、もうほとんど終わっちゃてるからなぁ。