BLACK POWDER WAR

テメレア戦記III 黒雲の彼方へ

テメレア戦記III 黒雲の彼方へ

『テメレア戦記III 黒雲の彼方へ』ナオミ・ノヴィク〈ヴィレッジブックス〉
テメレア×ローレンスのシリーズ3巻。

英国へ戻ろうするテメレアチームに、孵化直前の卵を受け取るため、オスマン帝国へ向かえという指令が届く。船の修理には時間がかかり、ローレンスは陸路で行くことを決断する。砂漠や雪崩を乗りこえ、ようやくオスマン帝国につくものの、英国大使は死んでおり、卵の代金も行方不明だという。さらに、テメレアに復讐を誓うリエンが……

中国からプロイセンまで、大陸を横断していく3部構成。
スケールは大きくなっているものの、正直前半は薄い。イスンタブールは旅行のことが思い出されて、個人的には楽しめたけど。地下貯水槽とかね。
しかし、後半は舞台が戦場になり、宿敵ナポレオンやリエンが現れて、物語は引き締まる。爆撃機の物語なんだから、やはり戦場でないとね。また、国王の支配とナポレオンのそれは何が違うのか? 金で売買される竜はなんなのか? とテメレアの権利に対する思想も深まる。
しかし、最も印象深いのは新キャラ、ツンデレ(笑)のイスキエルカ。彼女は今後活躍しそうなので、つづきが楽しみ。