狂鬼降臨
- 作者: 友成純一
- 出版社/メーカー: 出版芸術社
- 発売日: 2009/02/01
- メディア: 単行本
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よもやの復刊!
・「狂鬼降臨」
既読なんで、好きな部分(っていうのもアレだけど)だけ流し読み。
・「地獄の遊園地」
有名漫画家の夢が実現化した巨大テーマパーク。
突然、そのアトラクションが、客たちの殺戮を始める。
これ、いろんな方面に大丈夫なの?(笑)
・「呪縛女」
セックスによって男だけが罹る、肉体が腐る退廃病。
政府は山手線内を封鎖し、国家を存続させようとしていた。
それを乗り越えて侵入する女たちは殺さねばならない。
・「蟷螂の罠」
エリートコースを走るサラリーマン。
ゴルフ場に向かう途中、自分をバカにした若者の車を見つけ出し……
・「地獄の釜開き」
人間が死ななくなり、暴力だけの世界へとなり果てた。
いつもつるんでいる4人組は、以前生き埋めにした少女を掘りおこしてみることに。
本の半分以上が「狂鬼降臨」。人体も遺体もそこには人格がある。しかし、人間なんて所詮は糞袋と言い捨て、肉塊と化する描写だけを続ける本作はある意味必読。まぁ、自己責任で(笑)
「地獄の釜開き」は「狂鬼降臨」の1エピソードという趣で、狂気とエログロの極致を担う作品で素晴らしい。特に虫が……
あとの短篇は、人体破壊描写はいつもどおりの執拗さなんだけど、ストーリー自体は割と普通なんだよなぁ。あとがきにある初期作品の狂いっぷりがない。
もっと、似たようなテイストの作品(「猟人日記」とか)をチョイスするか、もしくは「狂鬼降臨」と「地獄の釜開き」だけの方が統一感があってよかったような気がする。